海野十三 『省線電車の射撃手』 「僕は、探偵小説家の戸浪三四郎である。かね…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『省線電車の射撃手』

現代語化

「私は、探偵小説家の戸浪三四郎です。私はこれまで原稿の上だけで探偵事件を扱ってきましたが、もっと臨場感ある実際の事件に関わってみたいと思っていました。そんな時、この『射撃手』事件の捜査に協力することになりました。……でも私は忙しいのと面倒くさがりなので、事件が起きてもすぐに現場を調べるようなことはできません。事件に関する情報は、大江山捜査課長からの報告に頼っていることも多いです」
「私はJORA放送局技術部の笹木光吉です。今回、この事件に巻き込まれることになりました。というのも、私の家は事件現場の近くにあるうえに広いため、犯人が敷地内に潜伏しているのではないかと警視庁から何度も呼ばれているのです。実は大江山捜査課長殿の話なのですが、私は半信半疑です。科学者だからといって、無関係な事柄についてまで意見を聞かれることがよくあるのです」
「私は帆村荘六です。本業の傍ら、『素人探偵』をしています。公認を得ていて、大江山捜査課長も私のことを知っています。この殺人事件には依頼されていませんが、注目しています。捜査の状況によっては、私が捜査に関わることもあるかもしれません。私はこの事件に大きな魅力を感じてます」
「私は赤星龍子です。自分のことはあまり話したくありません。疑いが深まっても仕方がないです。罪のない私がこんな事件に巻き込まれるなんて、一生の不運です」
「大江山警部。37歳。警視庁刑事部捜査課長。在職10年。今回の省線電車内の殺人事件は、警視庁に対する挑戦であり、捜査の結果、犯人の目星をつけました。遠からず事件は解決するでしょう。なお、私をアメリカのシカゴの悪漢団長アル・カポーンに買収された市警察署長に例えるのは、憤慨どころか笑いしか出てきません」
「射撃手」

原文 (会話文抽出)

「僕は、探偵小説家の戸浪三四郎である。かねがね僕は、原稿紙上の探偵事件ばかりを扱っているのに慊らず、なにか手頃の事実探偵事件にぶつかってみたいものだと考えていたところ、こんど偶然の機会をつかみ、この『射撃手』事件の捜査のお仲間入りができるようになったのである。……だが僕は、仕事が忙しいうえに、至って面倒くさがり屋だから、事件が起っても、いつも直ぐに駆けつけて犯罪の現場調べをやるというような勤勉な真似ばかりは出来ない。事件に関する僕の知識は大江山捜査課長の報告に基いているものも少くない」
「わたくしはJOAK放送局技術部の笹木光吉です。このたびは飛んだことから事件に関係を持つようになりました。と申しますのは、わたくしの邸宅が、事件の犯罪現場に近いところにあって、そのうえ可なり広い面積を占めているところから、犯人が邸内のどこかを、うろついているんじゃないかとの御疑いから、警視庁のお呼出しを、しばしば蒙るようになったのだそうです。なったのだそうです、とは妙な申し様でございますが、これは大江山捜査課長殿のお話なのですが、わたくしはそれについて半信半疑でいます。それと申しますのが、わたくしが科学者であるというのを口実にして、わたくしには関係のない事柄にまで科学的意見を徴されたことが、随分と多うございますのです」
「僕は帆村荘六です。僕は或る本職を持っている傍、お恥かしい次第ですが、『素人探偵』をやっています。無論、その筋の公認を得て居りまして、唯今の捜査課長の大江山も、僕を御存知です。こんどの殺人事件は別に依頼をうけたわけではありませんが、始終注意しています。ひょっとすると、事件の成行次第で、第一線に立たなきゃならないかも知れません。僕はこの事件に、非常な魅力を感じています」
「あたくしは、赤星龍子と申します。あたくしは、自分自身のことを余り申上げる気が致しません。そのために疑いが深くなっても仕方がありません。こんな事件に、何にも罪のないあたくしみたいなものが引込まれるなんて、あたし一生の不運だと思っていますわ、なんでもいいんです」
「大江山警部。年齢三十七歳。警視庁刑事部捜査課長。在職満十年。今回省線電車内に起りたる殺人事件は、本職を始め警視庁を愚弄することの甚だしきものにして、爾来極力探索の結果、此程漸く犯人の目星を掴むことを得たるを以て、遠からず事件解決の搬びに至るべし。なお本職を指して米国市俄古の悪漢団長アル・カポーンに買収されたる同市警察署長某氏に比するものあるは憤慨を通り越して、そぞろ噴飯を禁じ得ざるなり」
「射撃手」


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