海野十三 『赤耀館事件の真相』 「お嬢さん、今度はすこし手応えがあったよう…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『赤耀館事件の真相』

現代語化

「お嬢さん、今回は少し手応えがありましたよ」
「お姉さんの死は、間違いなく青酸中毒ですね」
「青酸中毒ですか!? それでは姉は殺されたんですか? それとも自殺なんですか?」
「他殺か自殺かは、まだ分からないんです。でも解剖の結果、青酸中毒の反応がはっきりと出てたし、青酸カリが入ってたと思われるカプセルの破片が胃から見つかりました。それからお姉さんの枕元にはレモナーデのグラスがあったそうなんです。お兄さんの死体にもレモナーデがあったのを覚えてますか。それから、これはちょっとお嬢さんには言いにくいんですけど、お姉さんが亡くなったベッドには男性がいたことが確認されました。でもホテルの人によると、お姉さんは誰かを待ってたみたいだけど、結局来なかったって言ってるんです。多分、男はそのホテルに、誰にも気付かれないように泊まってたんでしょうね。でも自殺か他殺かは、さっきも言った通りまだ分かりません。今は、お姉さんと一夜を共にした男を全力で捜査してます」
「じゃ、兄も青酸で死んだんですか?」
「そうだと思います。こちらも改めて調べたいんですけど、その前にぜひ聞きたいんですが、勝見伍策とお姉さんの関係について、何か知ってますか? あの、お姉さんの部屋にあった手紙から大体は推測してるんですけど……」

原文 (会話文抽出)

「お嬢さん、今度はすこし手応えがあったようですよ」
「お姉様の死は、疑いもなく青酸中毒から来ているのです」
「青酸中毒でございますって? では姉は殺されたので御座いますか、それとも自殺でございましょうか」
「他殺か自殺か、それは未だ残された問題なのです。ですが解剖の結果、青酸中毒の反応が充分出て来たことと、青酸加里を包んであったらしいカプセルの一部が胃の中に発見せられました。それからお姉様の枕頭にはレモナーデのコップがあったのです。覚えていらっしゃいますか、お兄様の死体の側にもレモナーデのあったことを。それから、これは一寸お嬢様には申し上げ悪いことなのですが、お姉様のおやすみになった寝台には何者か男性がいたことが確認されました。しかしホテルの方では、お姉様はたしかに人をお待ちのようでしたが、その人は遂に来なかったらしいと申しています。恐らく、男はその旅館の中に、知らぬ顔をして泊っていたのでしょう。しかし自殺か他殺かは、前にも申した通りわかっては居りません。只今は、極力、お姉様と一夜を共にした男を捜査中でございます」
「では、兄も青酸で死んだのでございましょうか」
「恐らくそうであろうと思います。この方も改めて調べて見たいと思うのですが、その前に是非お訪ねしたいのは、勝見伍策とお姉様の関係について、御存知の事実をお話し下さいませんか。いや、もう大体の見当は、お姉様の室にあった手紙から判っているのですが……」


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