GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 海野十三 『壊れたバリコン』
現代語化
「持ってきていたスーパーヘテロダインは没収されました。隣の部屋に閉じ込められていた私の案内人のまた隣の部屋も物置きになっていて、そこに一時投げ込まれていたことがわかりました。私は案内人に頼んで、夜中に天井裏伝いに隣の部屋に忍び込ませ、そのスーパーを盗ませました。その夜、苦労してコイル、コンデンサー、乾電池などを組み立てるセットの中から取り外し、短波送信機を作ろうと試みました。材料が足りなくて、思ったような波長のものが作れないことがわかると、絶望の涙にくれました。でも、できる限りのことをして天に任せるしかないと考え、許される範囲で応急処置的な送信機と受信機を作りました。こちらからの信号が弱くなってませんか?」
「少し弱くなっているようです。こちらのことはすべてすぐ関係先に急報しておきます。次回の通信は約2時間後、午前4時に行います。そちらの都合はいかがでしょうか?」
「了解しました。こちらとしては今後の通信は節約せざるを得ません。電源が切れたり、さらに報告すべき事件が発生する可能性があるからです」
「では、ごきげんよう。あなたの忍耐と奮闘をお祈りしています」
原文 (会話文抽出)
「直ニ其筋ヘ通報スベシ。安心アレ。質問アリ。貴局ノ送受信機ハ何処ヨリ手ニ入レタルヤ」
「予ガ携帯シ来リタルスーパーヘテロダインハ没収セラレタリ。予ガ隣室ニ監禁セラレタル予ノ案内人ノ室ノ更ニ隣室ニシテ、同様物置ナル所ヘ一時抛ゲ入レラレタルヲ知リタリ。予ハ案内人ヲシテ夜暗天井裏伝イニ隣室ニ忍ビ込ミ、其ノスーパーヲ盗マシメタリ。同夜苦心ノ末、コイル、コンデンサー、乾電池等ヲセット中ヨリ取外シ、短波長送信機ヲ組立テント試ミタリ。材料ノ不足ニヨリテ意ノ如キ波長ノモノヲ作ルコトヲ得ザルコトヲ発見シタルトキハ絶望ノ泪ニ暮レタリ。サレド人事ヲツクシテ天命ヲ俟タンコトヲ思イ、許シ得ル範囲ノ応急送信機及ビ受信機ヲ建造セルナリ。当方ノ信号ハ衰減セザルヤ」
「ヤヤ衰減シタルヨウニ思ウ。予ハ一切ヲ直チニ其筋ニ急報スベシ。次回ノ通信ハ約二時間後、スナワチ午前四時ニ行ウベシ。貴局ノ都合如何」
「応諾。当方ハ此後ノ通信ヲ倹約セザルベカラズ。電源ノ消耗ト、更ニ急報スベキ事件ノ発生ヲ予期スレバナリ」
「デハ御機嫌ヨウ。貴君ノ忍耐ト奮闘トヲ祈ル」