GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『沼地』
現代語化
「遺族?じゃあこの絵描いた人って亡くなってるんですか」
「亡くなってます。生きてた頃からほぼ亡霊みたいなもんでしたけど」
「なんでですか?」
「この画家、ずいぶん前から頭おかしかったんですよ」
「この絵を描いた時もですか」
「もちろん。頭おかしくないと、誰がこんな色の絵描きますか。それをあなたは傑作だって感心してる。そこが面白いんですよ」
原文 (会話文抽出)
「これは面白い。元来この画はね、会員の画じゃないのです。が、何しろ当人が口癖のようにここへ出す出すと云っていたものですから、遺族が審査員へ頼んで、やっとこの隅へ懸ける事になったのです。」
「遺族? じゃこの画を描いた人は死んでいるのですか。」
「死んでいるのです。もっとも生きている中から、死んだようなものでしたが。」
「どうして?」
「この画描きは余程前から気が違っていたのです。」
「この画を描いた時もですか。」
「勿論です。気違いででもなければ、誰がこんな色の画を描くものですか。それをあなたは傑作だと云って感心してお出でなさる。そこが大に面白いですね。」