岡本綺堂 『半七捕物帳』 「いや、実はその毒薬をやった医者も判ってい…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「いや、実はその毒薬をやった医者も分かってるんですがね」
「そいつはなかなか頭のいい奴で、山城屋の女房と女中が奉行所に呼ばれたって聞くと、すぐに夜逃げして、どこへ行ったか分かりません。そのうちあの騒動で、江戸も東京になっちゃいましたから、調べもそこで終わってしまいました。運がいい奴ですね」
「そうすると、その水出しのことはあなたの仕掛けだったんですね」
「お通夜の夜に、紙屑屋の女房がふと水出しのこと喋ったのが手掛かりで、こんな大事件を暴いちゃいました。以前『筆屋の娘』のお話をしたことがあったでしょ。あれはこの翌月のことで、世の中に似たようなことはいくらでもありますよ」

原文 (会話文抽出)

「いや、実はその毒薬をやった医者も判っているんですがね」
「そいつはなかなか素捷い奴で、山城屋の女房と女中が奉行所へ呼ばれたと聞くと、すぐに夜逃げをして、どこへ行ったか判らなくなったんです。そのうち例の瓦解で、江戸も東京となってしまいましたから、詮議もそれぎりで消えました。運のいい奴ですね」
「そうすると、その水出しのことはあなたの種出しなんですね」
「お通夜の晩に、紙屑屋の女房がふと水出しのことをしゃべったのが手がかりで、こんな大事件をほじくり出してしまいました。いつかあなたに『筆屋の娘』のお話をしたことがありましょう。あれはこの翌月のことで、世間に似たようなことは幾らもあるもんです」


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