GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『鼠小僧次郎吉』
現代語化
「これはまた早いお立ちで――どうぞお気をつけになって――そういえばさっきも、わざわざお心付けをいただいて――おっと、ちょうどいい具合に雪も晴れてきましたね――」
「今下りてきた時に聞いたんだけど、このゴマの蝿って奴、評判の鼠小僧って野郎らしいぜ」
「はい、そうらしいです――おい、早く草鞋を持ってこーい。笠と合羽はここにあります――どうもすごい泥棒らしいですね――はい、今勘定します」
原文 (会話文抽出)
「おい、番頭さん、私は早立ちと出かけるから、ちよいと勘定をしておくんなせえ。」
「これは又御早い御立ちで――ええ、何とぞ御腹立ちになりやせんやうに――又先程は、ええ、手前どもにもわざわざ御心づけを頂きまして――尤も好い塩梅に雪も晴れたやうでげすが――」
「今下りしなに小耳に挾んだが、この胡麻の蠅は、評判の鼠小僧とか云ふ野郎ださうだの。」
「へい、さやうださうで、――おい、早く御草鞋を持つて来さつし。御笠に御合羽は此処にありと――どうも大した盗つ人ださうでげすな。――へい、唯今御勘定を致しやす。」