岡本綺堂 『半七捕物帳』 「六月二十三日の晩、尾張屋の娘が雷火にうた…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「6月23日の夜、尾張屋の娘が雷に打たれたとき、お前が一番最初に発見したんだな」
「はい」
「そのときに、雷獣が走り回るのを確かに見たか?」
「はい」
「女のくせに、どうして一番最初に駆けつけたんだ」
「土蔵の前が急に明るくなって、雷様が降りてきたようだったので、何かまずいことが起きたんじゃないかと……」
「で、行ってみたらどうだった」
「お朝さんと重吉さんが倒れていました」
「倒れているところに、何も落ちていなかったか」
「気がつきませんでした」
「ネズミ捕りの粉がこぼれていなかったか」
「いいえ、知りません」
「おかん」
「お前は重吉をどう思ってる?」
「重吉のこと嫌いじゃなかったでしょ?」
「お前は給料をいくらくらい貯めているんだ」
「5両くらい貯めています」
「5両じゃ、国に帰って結婚もできないな」

原文 (会話文抽出)

「六月二十三日の晩、尾張屋の娘が雷火にうたれた時、おまえが一番さきに見つけたのだな」
「はい」
「その時に、雷獣のかけ廻るのを確かに見たか」
「はい」
「女の癖に、どうして一番さきに駈け付けた」
「土蔵のまえが急にぱっと明るくなりまして、かみなり様がお下りになったようでしたから、なにか間違いでもないかと存じまして……」
「で、行ってみたらどうした」
「お朝さんと重吉さんが倒れていました」
「倒れているところに、なんにも落ちていなかったか」
「気がつきませんでした」
「鼠捕り粉がこぼれていなかったか」
「いいえ、存じません」
「おかん」
「おまえは重吉をどう思っている」
「重吉が可愛くなかったか」
「おまえは給金を幾らほど溜めている」
「五両ばかり溜めて居ります」
「五両じゃあ、国へ帰っても夫婦になれめえな」


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