夏目漱石 『琴のそら音』 「いや実はこう云う話がある。ついこの間の事…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『琴のそら音』

現代語化

「実はこんな話があるんだ。ついこの間のことだけど、俺の親戚の人がやっぱりインフルエンザにかかったんだ。たいしたことはないと思って軽視してたら、1週間目から肺炎になって、とうとう1か月立たないうちに死んじゃった。その時医者が言ったんだ。この頃のインフルエンザは性質が悪いから、すぐに肺炎になるから気をつけなきゃいけないって。――それがまるで夢みたいなんだよ。かわいそうだったよ」
「へぇ、それは大変だったな。どうしてまた肺炎なんてなったんだ?」
「どうしてって、別に特別な原因とかはなかったんだけど――だからお前のことも気をつけなきゃいけないって言ってるんだよ」
「そうだな」

原文 (会話文抽出)

「いや実はこう云う話がある。ついこの間の事だが、僕の親戚の者がやはりインフルエンザに罹ってね。別段の事はないと思って好加減にして置いたら、一週間目から肺炎に変じて、とうとう一箇月立たない内に死んでしまった。その時医者の話さ。この頃のインフルエンザは性が悪い、じきに肺炎になるから用心をせんといかんと云ったが――実に夢のようさ。可哀そうでね」
「へえ、それは飛んだ事だった。どうしてまた肺炎などに変じたのだ」
「どうしてって、別段の事情もないのだが――それだから君のも注意せんといかんと云うのさ」
「本当だね」


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