岡本綺堂 『半七捕物帳』 「しようのねえ奴らだ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「どうしようもねえ奴らだ」
「実はさっきまで末広町まで行ってたんだ」
「へぇ、末広町にもそんなことがあったんですか?」
「そっくり同じ手口だ」
「ほんとどうしようもねえな。そんなことしてあちこちうろついていやがる。でも、親分。生首持って歩いてるみたいだけど、そいつら本物なんですかね?」
「そうかもしれねぇ」
「これは近江屋の土間に落ちてたのを拾ってきたんですよ」
「何か手がかりになるもんはねぇかと、俺もよく探したら、土間の隅にこんなものが落ちてたんです。店の掃除のとき掃いたんでしょ」
「ふむ」
「異人の首の髪の毛みたいですね」
「そうなんです。奴らが首振り回してたときに、1本か2本抜けて落ちたのを誰も気付かずにいて、今朝小僧が掃い出しちゃったんでしょう。どうですか、何か役に立ちませんか?」
「いや、悪くない。いい発見だ。お前にしては上出来だ。ところで、深川に押し入ったのって昨日の何時頃だ?」
「5時頃だそうですよ」
「まだ早いな。そこから末広町に行ったのか。1晩でよく稼ぐな」
「とりあえず、これは俺が預かっとくよ」
「ほかに用事はありませんか?」
「そうだな、まずこの髪を調べなきゃならねぇ。全部の流れはそれ次第だ。明日の昼頃また来てくれ」

原文 (会話文抽出)

「しようのねえ奴らだ」
「実は今もそれで末広町まで足を運んで来たんだ」
「じゃあ、末広町にもそんなことがあったんですかえ」
「そっくり同じ筋書だ」
「まったくしようがねえ。そんなことをして方々を押し歩いていやあがる。だが、親分。生首を持って歩いているようじゃあ、そいつらは本物でしょうか」
「そうかも知れねえ」
「これは近江屋の入口の土間に落ちていたのを拾って来たんですよ」
「なにか手がかりになるものはねえかと、わっしも蚤取眼でそこらを詮議すると、土間の隅にこんなものが一本落ちていたんです。店の掃除をするとき掃き落したんでしょう」
「むむ」
「異人の首の髪の毛らしいな」
「そうです。そうです、奴らが首を持ち出して拈くりまわしているうちに、一本か二本ぬけて落ちたのを誰も気がつかずにいて、けさになって小僧どもが掃き出してしまったんでしょう。どうです、何かのお役に立ちませんかね」
「いや、悪くねえ。いい見付け物だ。おめえにしちゃあ大出来だ。そこで、深川へ押し込んだのはゆうべの何どきだ」
「五ツ頃だそうですよ」
「まだ宵だな。それから末広町へまわったのか。ひと晩のうちによく稼ぎゃあがる」
「なにしろ、これはおれが預かっておく」
「ほかに御用はありませんかえ」
「そうだな、まずこの髪の毛をしらべて見なけりゃあならねえ。すべての段取りはそれからのことだ。あしたの午ごろに出直して来てくれ」


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