国木田独歩 『春の鳥』 「そろそろ寝ようかと思っているところです。…

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青空文庫図書カード: 国木田独歩 『春の鳥』

現代語化

「そろそろ寝ようかと思ってたところです」
「先生、ちょっとお願いがあるんですが」
「何ですか?」
「ロクゾウのことなんです。あんなバカだから、将来が心配で。自分のバカさは棚に上げて、ロクゾウが気になって仕方ないんです」
「ごもっともです。でもそんなに心配なさるほどのこともないでしょう」

原文 (会話文抽出)

「そろそろ寝ようかと思っているところです。」
「先生私は少しお願いがあるのですが。」
「なんですか。」
「六蔵のことでございます。あのようなばかですから、ゆくさきのことも案じられて、それを思う私は自分のばかを棚に上げて、六蔵のことが気にかかってならないのでございます。」
「ごもっともです。けれどもそうお案じなさるほどのこともありますまい。」

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