菊池寛 『仇討禁止令』 「やあ、しばらく」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 菊池寛 『仇討禁止令』

現代語化

「おお、久しぶり」
「おう、蘆沢のおじさんですか」
「高松藩から新政府に仕えてる奴は、めっちゃ少ない。お前は、その少ない中の1人だ。頑張って、いつか大臣になってほしい」
「いや、そんな大層なことにはなりませんよ。やっぱり、薩長が天下を取るでしょう。薩長じゃなきゃダメですよ」
「そうかい。そういえば、高松藩は遅れてたもんな。でも、会津みたいに朝敵にならなくてよかったよ。お前の力があったから、早く朝廷に帰順できてよかった。お国の人も、今はみんなお前の手柄を認めてるよ」
「そうなんですか。ありがとうございます」
「お前は、成田の娘を知ってるだろ」
「知ってます」
「お前の許嫁だったって本当か?」
「はははは。そんな古い話、もうやめましょう」
「いや、そうはいかんよ。あの子は、お前が東京から迎えに帰るのを待ってるって噂だぜ」
「本当ですか。おじさん」
「本当らしいぜ。どんな縁談も断ってるって噂だ。お前も、いい年こいた娘を待たせすぎちゃいかんよ。それとも、東京で結婚でもしてるのか?」
「いや、結婚なんてしてませんよ」
「早くお八重殿を喜ばせてやれよ、はははは」
「はははは」

原文 (会話文抽出)

「やあ、しばらく」
「おう、蘆沢の伯父さんですか」
「高松藩士で、新政府に仕えている者は、非常に少ない。貴公などは、その少ないうちの一人じゃ。大いに頑張って、末は参議になってもらいたい」
「いや、そうはいきません。やはり、薩長の天下ですよ。薩長でなければ、人ではありませんよ」
「そうかな。そういえば、高松などは立ち遅れであったからな。しかし、会津のように朝敵になりきってしまわなくてよかった。貴公たちの力で、早く朝廷へ帰順したのは、何よりであった。お国の連中も、今では貴公たちの功績を認めておるぞ」
「そうですか。それは、どうもありがとう」
「貴公は、成田の娘を知っておるのう」
「知っています」
「貴公の許嫁であったというが、本当か」
「ははははは。そんな話は、古いことですから、よしましょう」
「いや、そうはいかんよ。あの娘は、貴公が東京から迎えに帰るのを、待っているという噂だぜ」
「本当ですか。伯父さん」
「本当らしいぜ、どんな縁談もはねつけているという噂だぜ。貴公も、年頃の娘をあまり待たすのは罪じゃないか。それとも、東京でもう結婚しているか」
「いや、結婚などしていません」
「早くお八重殿を欣ばせたがよい、ははははは」
「ははははは」


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