岡本綺堂 『半七捕物帳』 「おい。じいさんはいるかえ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「おい。じいさんいる?」
「おや、親分……。今すぐ参ります」
「柿がめっちゃなってるじゃねえか」
「いやもう遅いんで……。今年は二百十日のときの風雨でめちゃくちゃやられちゃいました」
「ところで、最近この辺で変な音が聞こえてるんだってな。キツネかタヌキのイタズラだろ?」
「そうみたいっす」
「この辺に住んでる古ギツネの仕業らしいぜ」
「この辺に悪いキツネがいるのかよ?」
「今までそんな噂は聞いたことないですけど、この間の晩、自分から名乗ったらしいですぜ……。俺はここらに何年も住んでるキツネだとか言って、それを確かに聞いた人が二人もいるんで、本当なんでしょうけど」
「でも、キツネが人を殺すわけねえだろ。キツネなら食いちぎるだろ」
「世の中にはいろんなキツネやタヌキがいるからな」
「まあ、余計なこと言うなよ」
「ところで爺さん、その池田の舎と岡崎屋の伜って、どんな奴らだかわかんねえか?」

原文 (会話文抽出)

「おい。じいさんはいるかえ」
「やあ、親分……。唯今まいります」
「柿はよく生ったね」
「いえ、もう遅いので……。ことしは二百十日の風雨で散々にやられてしまいました」
「どうだね。この頃はここらで変な声が聞えるというじゃあねえか。狐か狸のいたずらだろう」
「そうですよ」
「なんでもここらに棲んでいる古狐の仕業だそうです」
「ここらに悪い狐が棲んでいるのかえ」
「今までそんな噂を聞いたこともありませんが、このあいだの晩、自分から名乗ったそうで……。おれはここらに年経る狐だとか云ったそうで、それは確かに聞いた人が二人もあるのですから、まあ本当でしょう」
「だが、狐が人を斬り殺す筈はあるめえ、狐ならば喰い殺すだろう」
「世間にゃあいろいろの狐や狸がいるからな」
「まあ、余計なことを云うなよ」
「そこで、爺さん、その池田の舎と岡崎屋の伜というのは、どんな男だか知らねえかえ」


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