岡本綺堂 『半七捕物帳』 「ねえ、親分。わっしにゃあまだ判らねえ。後…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「親分、全然わかんないっす。その変な音がなんで鳴るのか、めっちゃ考えてもヒントすら見つかんない」
「神田から駒込まで歩いたのに、まだわかんねえのかよ?」
「わかってるっすよ。あれはズウフラでしょ」
「ズウフラ……?ああ、わかったわかった」
「オランダから来た遠くの人に声を届ける道具っスよね?吹矢の筒みたいなのに違いない。確かにもう一回見たことあるっす」
「俺も屋敷で一回見せてもらっただけだけど、今回のことですぐこれだって見当つけたんだ。でも、何でズウフラで人を怖がらせるのか、イタズラなのか何かの理由があるのかがわかんねえ。だって、それで剣術の師匠が殺されたらしいっしょ?だから調べなきゃいけないんだ。最初に聞いたときにすぐ調べればよかったけど、ちょっと時間が経っちゃって面倒くさいな。でも、できる限り捜査してみよう。ここは寺が多いから、町役人の手が届かないんだ。それをいいことに、悪い奴らが住み着いてるんだろうな」

原文 (会話文抽出)

「ねえ、親分。わっしにゃあまだ判らねえ。後生だから焦らさずに教せえておくんなせえ。その変な声というのがどうして聞えるのか、いくら考えても見当が付かねえ」
「神田から駒込まで登って来るあいだに、まだ考え付かねえのか」
「おれにゃあちゃんと判っている。それはズウフラだ」
「ズウフラ……。ああ、判った、判った」
「和蘭渡りで遠くの人を呼ぶ道具……。吹矢の筒のようなもの……。成程それに違げえねえ。わっしも一度見たことがある」
「おれも或る屋敷でたった一度見せて貰っただけだが、今度の一件を聞いてすぐにそれだろうと鑑定した。だが、判らねえのは、なぜ其のズウフラで往来の人間を嚇かすのか。唯のいたずらか、それとも何か仔細があるのか。なにしろ、そのズウフラから剣術の師匠が殺されたというのだから、ひと詮議しなけりゃあならねえ。早く聞き込むと好かったのだが、ちっと日数が経っているので面倒だ。まあ、やれるだけやってみよう。ここらは寺門前が多いから、町方の手が届かねえ。それをいいことにして、悪い奴らが巣を食っているのだろう」


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