岡本綺堂 『半七捕物帳』 「よし、それで大抵わかった。いずれ又よび出…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「「よし、それで大体わかった。また呼び出すかもしれないが、その時は今の通り、正直に話せ」
「親分、どうでしたか?」
「もういい。これから八丁堀に行って、今日の経緯を旦那に話して、それぞれに対処しなきゃいけない」
「駿河屋の女隠居を殺した奴は3人だ」
「若い男というのは駿河屋の養子の信次郎だ。年格好も人相も間違いねえ。女は連れ込み宿のお米だ。もう一人の男がわからない」
「音造じゃありませんか?」
「そうじゃなさそうだ。年頃は40前後で、まともな風貌だったそうだから、お米の兄貴とか叔父とかいう奴じゃないかと思う。とにかくそいつが実行犯だから、下手なことをして、そいつを逃がしてしまうとまずい。信次郎やお米はいつでも捕まえられる。まずその実行犯を突き止めなきゃいけない」
「じゃ、すぐに調べてみます」
「おう。お米の親戚などに大工みたいな職業の奴はいないか、気をつけてくれ。下谷の長助も大工だが、あいつじゃない」
「わかりました。今夜中に調べます」

原文 (会話文抽出)

「よし、それで大抵わかった。いずれ又よび出すかも知れねえが、そのときにも今の通り、正直に申し立てるのだぞ」
「親分、どうでした」
「もういい。これから八丁堀へ行って、きょうの顛末を旦那に話して、それぞれに手配りをしなけりゃあならねえ」
「駿河屋の女隠居を殺した奴らは三人だ」
「若けえ男というのは駿河屋の養子の信次郎だ。年頃から人相がそれに相違ねえ。女は列び茶屋のお米だ。もう一人の男が判らねえ」
「音造じゃありませんか」
「そうじゃあねえらしい。年頃は四十ぐれえで、堅気らしい風体だったと云うから、お米の兄きとか叔父とかいう奴じゃあねえかと思う。なにしろ其奴が手をおろした本人だから、下手なことをやって、そいつを逃がしてしまうと物にならねえ。信次郎やお米はいつでも挙げられる。まず其の下手人を突き留めにゃあならねえ」
「じゃあ、すぐに洗って見ましょう」
「むむ。お米の親類か何かに大工のような商売の者はねえか、気をつけてくれ。下谷の長助も大工だが、あいつじゃねえ」
「ようがす。今夜じゅうに調べます」


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