岡本綺堂 『半七捕物帳』 「おい、錺屋の豊というのはお前か」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「「おい、錺屋の 豊 ってお前か?」
「そうです」
「少し用がある。そこまで来てくれ」
「どこに行くんですか?」
「まあ、どうでもいいから番屋まで来てくれ。すぐ帰してやるから」
「いけませんよ、 親分 」
「私は決して番屋に連れて行かれるような覚えはありませんよ。何かのお間違いでしょう」
「強情だな。素直に来いって言ってるのに……。ぐずぐずしてると面倒なことになるぞ」
「だって、 親分 。むやみにそんなこと言わないでください。私はこれでも堅気な職人です。昔はご法度の遊びなんかもやりましたけど、今は双六のサイコロだって触ったことはありません。本当に堅気になってるんですから、どうか見逃してください」
「まあ、いいや、そんなことは後で言えばいい。とにかくお前を呼びに来たんだ。俺が呼んでるんじゃねえ、 これが呼んでるんだ」

原文 (会話文抽出)

「おい、錺屋の豊というのはお前か」
「そうでございます」
「少し用がある。そこまで来てくれ」
「どこへ行くんでございます」
「まあ、なんでもいいから番屋まで来てくれ。すぐに帰してやるから」
「いけませんよ。親分」
「わたしは決して番屋へ連れて行かれるような覚えはありませんよ。何かのお間違いでしょう」
「強情だな。まあ素直に来いというのに……。ぐずぐずしていると為にならねえぞ」
「だって、親分。むやみにそんなことを云われちゃあ困ります。わたしはこれでも堅気の職人でございます。なるほど、以前は御禁制の手なぐさみなんぞをやったこともありますが、今じゃあ双六の賽ころだって、掴んだことはありません。まったく堅気になったんでございますから、どうかお目こぼしを願います」
「まあ、いいや、そんなことは出るところへ出て云うがいい。なにしろお前に用があるから呼びに来たんだ。おれが呼ぶんじゃねえ、これが呼ぶんだ」


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