岡本綺堂 『半七捕物帳』 「四の五の云うと面倒だから少し嚇かして来た…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「「面倒くせえからちょっと脅かして来たから、相棒と一緒に今晩絶対来るはず。二人に空駕籠かつがせて、俺が付いてくつもり。化け猫釣りうまく行けばいいけどさ……」
「そんな仕事なら他の駕籠屋を引っ張った方がいいじゃねえか」
「あいつら全員ビビりだから、役に立たねえよ」
「でも、このあいだの晩に娘を乗せたのあいつらだから、他のやつじゃ見分けがつかない。ま、いいや。なんとかなるだろ」
「それにしても民はどうしたかな。ちょっと頼みごとしといたんだけど……」
「民のやつはさっき来ましたよ。親分が留守って言うと、それじゃあ床屋に行ってくると出て行きましたから、また戻ってくるでしょ」
「「親分。お疲れ様です。早速ですが、こっちの方は大変ですよ。寅と手分けして、毎晩あっちこっち見張ってますけど、江戸って広いんでね。全然手が回りません」
「気の長い仕事だけど、我慢してやってくれ。そのうちなんとかなるかもしれないから」
「どうせ誰も苦労してる仕事なんだから、そう簡単に終わらねえよ。気長にやるしかないね」

原文 (会話文抽出)

「四の五の云うと面倒だから少し嚇かして来たから、相棒と一緒にきっと今夜来るに相違ねえ。ふたりに空駕籠をかつがせて、おれが付いて行ってみようと思う。化け猫釣りがうまく行きゃあお慰みだが……」
「そんな仕事ならほかの駕籠屋を狩り出した方がようがすぜ」
「あいつらは揃って臆病な奴らですから、なんの役にも立ちますめえ」
「でも、このあいだの晩の娘を乗っけたのは彼奴らだから、ほかの者じゃあ見識り人にならねえ。まあ、いいや。なんとかなるだろう」
「それにしても民の野郎はどうしたろう。あいつに少し頼んで置いたことがあるんだが……」
「民の野郎はさっき来ましたよ。親分は留守だと云ったら、それじゃあ髪結床へ行ってこようと出て行きましたから、又引っ返して来るでしょうよ」
「親分。お早うございます。早速だが、わっしの方はどうも大役ですぜ。寅の奴と手わけをして、毎晩方々を見まわって歩いているが、なにしろ江戸は広いんでね。とても埒が明きそうもありませんよ」
「気の長げえ仕事だが、まあ我慢してやってくれ。そのうちにゃあ巧くぶつかるかも知れねえから」
「どうでみんなが手古摺っている仕事なんだから、そう手っ取り早くは行かねえ。まあ、気長にやるよりほかはねえ」


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