岡本綺堂 『半七捕物帳』 「親方は内かえ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「親方はいますか?」
「今日は昼間から出かけてます」
「いつ頃帰るか、わかりませんか?」
「最近ちょくちょく出かけられるので、いつ帰るか分かりません……。何かご用ですか?」
「むむ、奉納する大きい絵馬を頼みたいんだけど、親方が留守じゃあ仕方ないな。また出直して来よう。おかみさんもいませんか?」
「おかみさんは……。4、5年前に亡くなりました」
「じゃあ、親方は一人ですか?子供は……」
「娘がいます」
「娘は何歳だ?」
「18です」
「いい女ですか?お前の様子だと、もうできてるんじゃないか?」
「冗談ですよ」
「おい、亀。ちょっと忙しくなってきたけど、大津屋の主人と娘について調べられることは全部調べてくれ。万次郎のことは松に頼んで調べさせろ。丸多の主人は頭がおかしくなってるから、どこにどうしているのか、今は手がつけられない。それと難しいかもしれないけど、大津屋を調べるついでに、女性の絵描きの捜索も頼むぜ」
「あっ、やばい、やばい。俺もよっぽど考えが回らないな。今あの店で、ここの絵馬を描いた人は誰かって聞いてみりゃよかったのに……。これは大失敗だ」
「なに、そんなことはすぐにわかりますよ」

原文 (会話文抽出)

「親方は内かえ」
「きょうは昼間から出ました」
「いつ頃帰るか、判らないかね」
「この頃はちょいちょい出るので、いつ帰るか判りませんが……。なにか御用ですか」
「むむ、奉納の大きい物を頼みてえのだが、親方が留守じゃあ仕方がねえ。また出直して来よう。おかみさんもいねえかね」
「おかみさんは……。四、五年前になくなりました」
「じゃあ、親方は一人かえ。子供は……」
「娘があります」
「娘は幾つだ」
「十八です」
「いい女かえ。おめえは様子がいいから、もう出来ているのじゃあねえか」
「冗談でしょう」
「おい、亀。少し忙がしくなって来たが、大津屋の亭主と娘について出来るだけのことを洗ってくれ。万次郎の方は松に云いつけて調べさせろ。丸多の亭主は半気違げえだから、何処にどうしているか、差しあたりは手の着けようがねえ。それから如才もあるめえが、大津屋を調べるついでに、女の絵かきの探索も頼むぜ」
「やあ、いけねえ、いけねえ。おれもよっぽど焼きがまわったな。今あの店で、ここの絵馬をかく人は誰だと訊いてみりゃあ好かったに……。こいつは大しくじりだ」
「なに、そんなことはすぐに判りますよ」


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