岡本綺堂 『半七捕物帳』 「おい、小僧さん。鍋久の小僧さん」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「おい、小僧さん。鍋久の小僧さん」
「おい、俺の顔忘れたか?この間俺たちに茶を持って来たのはお前だろ」
「お前の名前は何と言うんだ?」
「宇吉と言います」
「むむ、宇吉か。お前はなかなか景気がいいな。お店者の小僧のくせに、蕎麦屋に来て天ぷらに霰とは、ばかみたいに贅沢をきめるじゃないか。その金は誰に貰った?それとも盗んだのか、くすねたのか。はっきり言え」
「さあ、正直に言え。ぐずぐずしてると、番屋に引きずって行ってぶん殴るぞ」
「店の主人に貰ったんです」
「主人とは誰だ?」
「店の若い衆で、新次郎って言うんです」
「新次郎……。この間の晩、若いおかみさんを捕まえようとして、剃刀をぶつけられた奴だな。お前は普段から新次郎に金をもらってるのか?」
「この、しぶとい奴だ。さあ、来い。番屋の柱に縛り付けて、絞めあげるから……。えー、泣いたって許すものか。この河童野郎め」

原文 (会話文抽出)

「おい、小僧さん。鍋久の小僧さん」
「おい、おれの顔を忘れたか。この間おれたちに茶を持って来たのはお前だろう」
「おまえの名はなんというのだ」
「宇吉といいます」
「むむ、宇吉か。お前はなかなか景気がいいな。お店者の小僧のくせに、蕎麦屋へ来て天ぷらに霰とは、ばかに贅沢をきめるじゃあねえか。その銭はだれに貰った。それとも盗んだのか、くすねたのか。はっきり云え」
「さあ、正直に云え。ぐずぐずしていると、番屋へ引き摺って行って引っぱたくぞ」
「店の新どんに貰ったんです」
「新どんとは誰だ」
「店の若い衆で、新次郎というんです」
「新次郎……。このあいだの晩、若いおかみさんを捉まえようとして、剃刀をぶつけられた奴だな。お前はふだんから新次郎に銭を貰うのか」
「こいつ、強情な奴だ。さあ、来い。番屋の柱へ縛りつけて、絞めあげるから……。ええ、泣いたって勘弁するものか。この河童野郎め」


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