岡本綺堂 『半七捕物帳』 「鍋久の嫁が剃刀で亭主を殺した……。気ちが…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「鍋久の嫁が剃刀で旦那を殺した……。頭がおかしくなると刃物を使うとはまさにこのことで、どうにも仕方がない。でも、旦那側の捜査もちょっと足りないようだな」
「ちょっと調べてみようか?」
「権兵衛の後を回って、カラスが突っつくのも見苦しいが、まあちょっと突っついてみろ。どうも気になることがあるんだ。おい、半七、お前も徳次に付いて行って、お勤めを勉強してこい」
「その時私はまだ19の新米で……」
「その後、吉五郎の養子になって、まあ2代目の親分になりましたが、その頃はまったく度胸がありませんでした。いわば見習いの身分で、ベテランの後を付いて、言われた通りに尻をまくって走り回っていたものですから、時には泣きたくなることもありましたよ」

原文 (会話文抽出)

「鍋久の嫁が剃刀で亭主を殺した……。気ちがいに刃物とは全くこの事だから、どうも仕方がねえ。だが、旦那方の詮議もちっと足りねえようだな」
「すこし洗ってみましょうか」
「権兵衛のあとへ廻って、鴉がほじくるのも好くねえが、まあちっとほじってみろ。どうも気が済まねえことがあるようだ。おい、半七、おめえも徳次に付いて行って、御用を見習え」
「その時わたくしはまだ十九の駈け出しで……」
「後には吉五郎の養子になって、まあ二代目の親分株になったんですが、その頃は一向に意気地がありません。いわば見習いの格で、古参の人たちのあとに付いて、ああしろこうしろのお指図次第に、尻ッ端折で駈けずり廻っていたんですから、時には泣くような事もありましたよ」


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