岡本綺堂 『半七捕物帳』 「いえ、一々お取り次ぎは、かえってお願いの…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「いえ、いちいちお取次ぎされると、かえって頼みごとが通りにくいかもしれません。用事があれば、私から直接申し上げます」
「いや、そんな失礼なことはできない」
「お尋ねのこと、お答えのこと、すべて私がお受けする。そこで、あなたの母親は今年いくつで、何年の生まれですか?」
「母は60で、戌年の生まれです」
「普段から何か持病はありますか?」
「特にありませんが、2、3年前から時々癪に悩まされることがあります」
「そうでしたか。それでは、これからお祈りを始めましょう」
「恐縮ですが、お祈りを始める前に、私の奉納するものを一度ご確認いただけませんか……」
「なんとおっしゃるのか」
「あなたが奉納する品を一度確認しろと言われますか?」
「どうぞお願いします」

原文 (会話文抽出)

「いえ、一々お取り次ぎは、かえってお願いの筋が通り兼ねるかとも存じます。御用でございましたらば、わたくしから直々に申し上げます」
「いや、そのような失礼があってはならぬ」
「おたずねのこと、お答えのこと、すべて拙者がうけたまわる。して、こなたの母御は当年何歳で、なんの年の御出生でござるかな」
「母は六十で、戌年の生まれでございます」
「ふだんから何かの御持病でもござるか」
「別にこれということもございませんが、二、三年前から折りおりに癪に悩むことがございます」
「左様でござるか。では、これから御祈祷にかかられます」
「恐れながら申し上げます。この御祈祷におかかり下さる前に、わたくしの御奉納物を一度おあらためを願いたいと存じますが……」
「なんと云わるる」
「こなたが奉納の品を一応あらためてみろと云われるか」
「どうぞお願い申します」


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