GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「うむ、それだけでも分かれば、だいぶ見当がつく」
「おふくろを脅したくらいで、大した手柄じゃねえっすけど……。ひょろ松にしては上出来っしょ。おとなしそうに見えても、不倫するような女は、他にもモメゴトがあるだろ。で、お前はどうするつもりだ?」
「うーん、それが分かんねえんで相談に来たんす。まさかその旗本の隠居が殺したんじゃねえっすよね。親分はどう思います?」
「俺もそうは思わねえが……」
「でも、世の中じゃ意外なこともありますからな。油断はできねえっす。その旗本ってのはどこの屋敷で、隠居の下屋敷はどこにあるんすか?」
「屋敷は大久保式部って千石取りで、隠居の下屋敷は雑司ヶ谷にあるそうです」
「じゃあ、とりあえずその雑司ヶ谷ってのに行ってみっしょ。思わぬもんにぶち当たるかもな」
原文 (会話文抽出)
「親分、知れましたよ。あの帯取りの一件が……。近所の評判に嘘はねえ、おみよという女はやっぱり旦那取りをしていたんですよ。相手はなんでも旗本の隠居で、こっちから時々にそっと通っていたんです。おふくろは頻りに隠していたんですけれど、わっしがいろいろ嚇しつけて、とうとうそれだけの泥を吐かせて来たんですが、どうでしょう、それが何かの手がかりになりますまいか」
「むむ、それだけでも判ると、だいぶ見当がつく」
「おふくろを嚇かして来たんじゃあ、あんまり手柄にもならねえが……。ひょろ松、まあ手前にしちゃあ上出来のほうだ。おとなしそうに見えていても、旦那取りをするような女じゃあ、ほかにも又いろいろの紛糾があるだろう。そこで、お前はこれからどうする」
「さあ、それが判らねえから相談に来たんです。まさかその旗本の隠居が殺したんじゃありますめえ。親分はどう思います」
「おれもまさかと思うが……」
「だが、世間には案外なことがあるからな。なかなか油断はできねえ。その旗本はなんという屋敷で、隠居の下屋敷はどこにあるんだ」
「屋敷は大久保式部という千石取りで、その隠居の下屋敷は雑司ヶ谷にあるそうです」
「じゃあ、なにしろその雑司ヶ谷というのへ行って見ようじゃあねえか。飛んでもねえものに突き当るかも知れねえ」