岡本綺堂 『半七捕物帳』 「判りましたか」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「分かりました?」
「うーん、まだなんとも言えませんね。あとで検視結果が出たら、またお考えもあるでしょうし。私はとりあえず失礼します」
「親分。どうでした?」
「あの女中、まだ若いんだな。17か18か?」
「17だって言ってます。でも、あいつがやったわけじゃねえっすよね?」
「うむ」
「でも、なんとも言えません。お前だから言うけど、師匠は蛇に殺されたんじゃねえ。人間が絞め殺して、あとから蛇を巻きつけたに違いない。お前もそう思って、あの女中はもちろん、ほかの出入りするやつらにも注意しろ」
「じゃあ、死んだやつが呪ったんじゃねえっすか?」
「死んだやつも呪ってるかもしれんが、生きてるやつも呪ってるに違いない。俺はちょっと心当たりを調べてくるから、お前も気を抜くな。それで、あの師匠は金持ってんのか?」
「あいつはケチですからね。金は溜めてたでしょうね」
「愛人がいた形跡はないか?」
「最近は金のことばかり考えてたみたいっす」
「そうか。頼むよ」

原文 (会話文抽出)

「判りましたか」
「さあ、まだ何とも申されませんね。いずれ御検視が見えたらば又お係りのお考えもありましょう。わたくしは一と先ずこれでお暇いたします」
「親分。どうでした」
「あの女中はまだ若いようだな。十七八か」
「十七だということです。だが、あいつが真逆やったんじゃあありますまい」
「むむ」
「だが、なんとも云えねえ。おめえだから云って聞かせるが、師匠は蛇が殺したんじゃあねえ。人間が絞め殺して置いて、あとから蛇を巻きつけたに相違ねえ。お前もそのつもりで、あの女中は勿論のこと、ほかの出入りの者にもよく気をつけろ」
「じゃあ、死んだ者の執念じゃありませんかね」
「死んだ者の執念もかかっているか知れねえが、生きた者の執念もかかっているに相違ねえ。おれはこれからちっと心当りを突いて来るから、おめえも如才なくやってくれ。そこで、どうだろう。あの師匠はちっとは金を持っていたらしいか」
「あの慾張りですからね。小金を溜めていたでしょうよ」
「情夫でもあった様子はねえか」
「この頃は慾一方のようでしたね」
「そうか。じゃあ、なにしろ頼むよ」


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