GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「あー、神田の親分っすか。店でとんでもないことが起きちゃって……。番太郎に言いつけて、早速知らせはしましたけど、まだ検視が下りないんで、動けません。近所ではいろんなこと言ってるみたいっすけど、死んでしまうにも程があるっすよ。まさか蛇に巻き殺されるとは。こりゃ困ったすよ」
「この辺って普段、蛇が出るところっすか?」
「ご存じの通り、こんなに家が密集してるんで、蛇もカエルも滅多に出やしないっす。ましてこの家は庭もせいぜい4畳くらいで、蛇が住んでそうもないし、どこから入り込んだのか分かりません。だから近所でいろんな噂が立ってるんすけど……」
「蚊帳の中、見せてもらってもいいっすか?」
「はい、どうぞ」
原文 (会話文抽出)
「お家主さん。どうも飛んだことが出来ましたね」
「ああ、神田の親分でしたか。店中に飛んでもないことが出来しまして……。番太郎に云い付けて早速お届けはして置きましたが、まだ御検視が下りないので、うっかり手を着けることもできません。近所ではいろいろのことを云っているようですが、死に様もあろうに、蛇に巻き殺されたなんて一体どうしたもんでしょうか。なにしろ困ったことが出来ましたよ」
「ここらはふだんから蛇の出るところですか」
「御承知の通り、こんなに人家が建て込んでいるところですから、蛇も蛙も滅多に出るようなことはありません。おまけにここの家は庭といったところで四坪ばかりで、蛇なんぞ棲んでいそうな筈はありませんし、どこから這入って来たのか一向判りません。それですから近所でまあ、いろいろのことを云うんですが……」
「蚊帳のなかを見ても宜しゅうございますか」
「どうぞお検めください」