十分に発達した積乱雲の雲頂

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お天気教室 -- 逆転層 上に行くほど気温上昇 放射冷却の朝に発生も 「接地逆転層」

十分に発達した積乱雲の雲頂は、対流圏界面。

新野宏, 町田暁 & 柳瀬亘, 大気の対流と渦の数値シミュレーション,
日本数値流体力学会誌, 第9巻第5号 (2001.10)

>一度周囲より冷たくなった気塊の温度は高度の上昇と共に次第に周囲の温度に
>追いつき始め、遂には周囲の温度に等しくなる(自由対流高度)。気塊が
>自由対流高度を超えて持ち上げられると、気塊の温度は上昇すればするほど
>周囲の温度より高くなり、激しい対流を生じる。こうして発生するのが積乱雲
>である。

積乱雲 - Wikipedia 

>積乱雲は通常積雲及び雄大積雲(積雲が発達したもの)がさらに発達したもの
>である。また、一般用語としては雄大積雲を積乱雲といったりもするが、気象学では
>雲の頂点が対流圏界面まで達して、その付近で水平に広がり始めたものを積乱雲としている。

>今述べたように積乱雲は対流圏界面の高さまで達するほど鉛直方向のスケールが大きいが、
>興味深いことに通常の場合は積乱雲の雲頂が成層圏に突入しそこからさらに発達し続ける
>ことはない。したがって、対流圏界面が天井のような形で、そこから雲はどんどん水平に
>広がっていく。全体的に見るとかなとこのような形をしていることから、この雲を
>かなとこ雲(anvil cloud)という。厳密にはかなとこ雲は、その付近の低温によって
>氷の結晶で構成されている。雲が圏界面付近で成層圏に突入せず、水平に広がる理由は
>対流圏上部と成層圏下部の温度の違いによる。すなわち、対流圏上部では気温が-70℃前後
>であるのに対して成層圏下部はオゾン層の影響で相対的に気温が高い。この気温差によって
>雲頂は成層圏に突入することができず、圏界面を境に水平に広がるのだ。