無窮ナレッジ

▼攻撃と防禦の優位性

1800年ごろ ナポレオン         攻撃が優位 火器が短射程、低い連射性。
 
1861年   南北戦争          防禦が優位 長射程小銃、携帯用シャベル
1866年   普墺戦争          防禦が優位 後装撃針型小銃(高い連射性) 
1898年   米西戦争、英国・ボーア戦争 防禦が優位 無煙火薬、塹壕
1904年   日露戦争          防禦が優位 鉄条網
1914年   第一次大戦前期       防禦が優位 連発銃、塹壕、鉄条網の三者一体
        第一次大戦末期       攻撃の復権 毒ガス(1915年)、戦車(1917年)
 
1939年   第二次大戦         攻撃が優位 電撃戦(戦車部隊、近接航空支援)、補給車両
1955年ごろ 冷戦            攻撃が優位 ワルシャワ条約機構軍の戦車部隊
1975年ごろ ベトナム戦争後       攻撃が優位 長距離精密誘導兵器
1990年   湾岸戦争          攻撃が優位 超貫通爆弾 *
 
 * 超貫通爆弾の代表例は「ディープ・スロート」GBU-28/B (その弾頭はBLU-113/B) である。
  この爆弾は湾岸戦争の「砂漠の嵐」作戦において、米空軍がイラクの強化コンクリート製の
  特殊シェルター「タジ#2」を破壊するのにつかわれた。
 
  実験において、これは砂漠のカリーチ(コンクリートとほぼ同成分の堅い粘土土壌)に深さ 30.5m の
  穴をうがった(炸薬なし)。
 
  コンクリートは安価で丈夫であるため、多くのシェルターで使われてきた。いくら空爆を受けても、
  すぐに復旧できる。よって、空爆による破壊効率が極めて悪かった。しかし、この超貫通爆弾の出現で
  状況は一変した。
 
参考:
中村 好寿 : 軍事革命(RMA)―“情報”が戦争を変える (中公新書, 2001)
「第五章 攻撃と防御、どちらが有利か」
 
関連:
中村 好寿「軍事革命(RMA)―“情報”が戦争を変える」
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-289.html 
 
情報技術は最終戦争を可能にするかも
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1239.html