無窮ナレッジ

▼多数決は正しいのか

R. P. ファインマン著 大貫昌子訳: ご冗談でしょう、ファインマンさん 下
(岩波現代文庫, 2000)  p.206
 
>昔中国では、国民が皇帝の顔を見ることはいっさい禁じられていた。ところが
>その皇帝の鼻の長さがどれだけあるかということが問題になった。そしてこの答を
>出すため、役人が国中を駆けずりまわっていろいろな人から皇帝の鼻の長さが
>どれだけあると思うかを聞いて歩き、これを平均して答を出した、という話である。
>あれだけ大人数から聞いた長さを平均したのだから、さぞかし「正確な」答が出た
>だろうと思うと、それはとんでもない話だ。どんなに広範囲の人間の意見であろう
>が、正確にそのものを見ていない人の意見などいくら平均してみたところで、正確な
>知識を得るには何の役にも立ちはしないのだ。
関連:
松岡正剛の千夜千冊『ご冗談でしょう、ファインマンさん』
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0284.html