http://slashdot.jp/science/04/01/02/0747256.shtml?topic=62 * http://jjy.crl.go.jp/Pub/leapsec.html
( * より) >国際標準時となっている協定世界時は、セシウム原子の振動から計算される >国際原子時を、グリニッジ標準時として知られる世界時に準拠させたものと >なっています。しかし、世界時は地球の自転速度の影響により変動するため、 >協定世界時との間に誤差が生じることになります。閏秒とはその誤差を >一定時間に収めるように挿入される時間のことで、... 地球の自転速度ですが、だんだん遅くなってきています。その割りは、1年あたり 5万分の1秒、1世紀あたり2ミリ秒、1日が長くなるというものです。この計算を はじめて行ったのは(正しい結果がそのとき出たのかは定かでないが)、ハレー彗星 に名前を留める英国グリニッジ天文台長エドマンド・ハレー(18世紀初期)です。 この自転速度の低下の原因は、潮汐摩擦、つまり海水が月の方向に月の引力で 引かれているのに、地球の岩盤・陸地は自転して、あっちでゴリゴリ、こっちで ゴリゴリ、地球中でしていることによります。これは、ドイツの哲学者 イマヌエル・カント ** (18世紀末)により考え出されました。 ** http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%88 さらに、地球-月系から、太陽-地球系に話を移しますと、先と同様の理由で、 地球の公転速度も低下しています。その割りは、一年の長さが10億年間に3秒 長くなるというものです。 1日の長さも、1年の長さも長くなっているわけですが、合わせると、1年の日数は 減少することになります。 さて、地球-月系の角運動量保存から、地球の自転速度が低下する以上、月の 角運動量は増加することになります。即ち、月は地球から遠ざかる(後退する) ことになります。 これは、進化論のチャールズ・ダーウィンの次男である天文学者 G・H・ダーウィンにより初めて唱えられたものであります。ちなみに、 G・H・ダーウィンの衛星(月)の公転軌道に関する学説は、H・G・ウェルズ 「タイムマシン」にも登場します *** 。 *** そう記憶している。日本語訳書では"ダーウィン二世"と書かれていたか。 ただ、作品ではちらりと登場するのは、未来世界において月は再び地球に 近づいているという学説だったと記憶している。 なお、月の後退速度は、5.8cm /年 です。 参考文献: スティーヴン・ジェイ・グールド 著 桜町翠軒 **** 訳 : パンダの親指 (下) ***** (早川書房, 1996) pp.208-211,217,218. より **** 「桜」は、木へんに「嬰」 ***** 原著 Stephen Jay Gould, THE PANDA'S THUMB More Reflections in Natural History, 1980 関連: 国立天文台 よくある質問 質問4-4) 1日の長さは変化しているの? http://www.nao.ac.jp/J/QA/faq/a0404.html 日本惑星協会 THE PLANETARY REPORT 1997年9・10月号 月の後退に関して http://www.planetary.or.jp/Report/R979-10_a_2.html 名古屋市科学館 サンゴの日輪による地球の自転速度の推定 http://www.ncsm.city.nagoya.jp/exhibits/L/L2/3207.html