小橋昭彦氏の『今日の雑学+』950号[03.05.05] ( https://www2.racm.net/public/backnumber2.gku?mid=102019573 )に >ロボットコンテストの立役者として知られる森政弘博士の『機械 >部品の幕の内弁当』に印象的な挿話がある。10キロの綿と10キロの >鉄ではどちらが重いか、という問題だ。... じつは「同じ」という >答えも、間違いではないけれど、単純すぎる。森博士はそれを外側発想 >と呼んでいる。実際に持ってみると、綿の方が重い。鉄なら手で持ち >上げられるけれど、10キロの綿はかさばるので全身の筋肉を使う。 >だからはるかに重く感じる。これが内側発想。
とあった。 小橋氏は、同じ重量の"子供"と"米俵"を比べたら、笑ってくれる"子供"のほうが 軽く感じるだろうと、つなげている。 さて、森博士は一般読者に分かりやすいよう、 >かさばるので全身の筋肉を使う という理由を書いたのだろう。正確に記述してみる。 要は、モーメントである。モーメントとは、長さ×重量 で、てこで、支点近くの 重い荷物を、支点から離れたところにかける小さな力でゆっくりと持ち上げ られるとき、このモーメントがつりあっているのだ。 この場合では、鉄はかさばらないため、鉄の重心と体とは離れていない。しかし 綿はかさばるので、綿の重心と体は離れてしまう。よって、綿の場合のほうが 多くのモーメントを体が支えてやらねばならず、綿のほうが重く感じるのだ。 これが理由である。