無窮ナレッジ

▼科学と自然、人類は再び自然の制御を目指すのか、カオスで台風制御

関寛治, 犬田 充 and 吉村 融 : 行動科学入門 (講談社, 1970) p.13.
 
>この科学の目的は、すべての科学の目的と同じである。それは出来事を予測し、
>終局的にそれをコントロールすることを目指して、それの取り扱う現象に含まれる
>もろもろの過程と連関とを確認しようとするものである。
私は、人類のこの「終局的にそれ[:自然]をコントロールする」企ては、あきらめ
られたと思っていました。
 
しかし、
 
 Ross N. Hoffman=著, 斉藤和雄=監修, 台風をあやつる 夢ではない天気の制御,
 日経サイエンス, 2004年11月号, 36-44 (2004)
 
という記事を見つけました。
 
内容は、
 
 http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0411/typhoon.html 
 
 > 高度な気象予報モデルに基づいて,ハリケーンの発達のカギとなる複雑な過程
 >が精密に再現された。その結果,ハリケーンや台風などの巨大なカオス的システム
 >は初期条件の微小な変化に非常に影響されやすいことがはっきりした。例えば周辺
 >や中心部の気温や湿度がわずかに変わるだけで大きな影響が出る。
 
 > ハリケーンの何を変化させれば勢力を弱めたり進路を人口密集地域からそらせるか,
 >複雑な数学的最適化手法を利用した研究が進んでいる。
 
 > 1992年に発生した2つのハリケーン「イニキ」と「アンドリュー」について
 >シミュレーション実験を行った。この結果,温度や風の初期値をわずかに変えることで
 >ハリケーンの進路を誘導したり,暴風の及ぶ範囲を縮小できることがわかった。
 
 http://kudokugoya.net/index.php?%E5%8A%9F%E5%BE%B3%E8%A6%8B%E8%81%9E%E9%8C%B2%2F63 
 
 >台風を操る : 60年代にアメリカが試した「雨の核を散布してハリケーンの進路を
 >変えよう計画」は失敗に終わったが、カオス理論に基づいて海面の温度を微妙に
 >変化させることによりハリケーンの進路や勢力をコントロールすることができそうだ
 >(ただしまだシミュレーション段階)。
 
研究内容について、より詳しくは http://www.niac.usra.edu/studies/  の Hoffman 氏の
項目のリンク先で見ることができます。
 
これは円環なのでしょうか。
 
  実現すべく開発が進められる
   ↓
  不可能だと分かる
   ↓
  実現を可能にする方法が見つかる
   ↓
  実現すべく開発が進められる
 
戻りましたね。
 
関連:
(先端技術は、人間の本能的なところを引き出しますね。)
http://mkynet.hp.infoseek.co.jp/webcic/lib/inw2/wn-c_0407060.html#1 
−移転→  http://takagi1.net/g-sys/inw2/1_wn-c_0407060.html 
−移転→  https://takagi1.net/webcic/lib/inw2/wn-c_0407060.html#1