無窮ナレッジ

▼濡れない液体 / 「濡れる」とはどういうことか

http://www.yasuhisa.com/could/entries/000468.php 
http://abclocal.go.com/wpvi/news/04132004_bb_sapphire.html 
Typco Fire and Securityという企業が開発した『SAPPHIRE』。
 
構造式は CF3CF2C(O)CF(CF3)2 ということなので、
こんな感じでしょうか。
 
          F
          ┃
  F F   F━C━F
  ┃ ┃     ┃
F━C━C━C━━━C━F
  ┃ ┃ ‖   ┃
  F F O F━C━F
          ┃
          F
 
「濡れる」ってどういうことなんだろうと調べてみますと、
 
http://www2.hamajima.co.jp/~tenjin/ypc/ypc02y.htm 
 
 >固液間の濡れやすさは接触角という角度(固液界面と気液界面のなす角)で
 >表される。この角度が小さいことを「濡れる」といい、90度より大きい場合を
 >「はじく」という。
 
そして、
 
http://www.face-kyowa.co.jp/inter/gensyo.htm#eg 
 
を見ますと、
 
 (固体表面張力) = (液体表面張力)×cos(接触角) + (固液界面張力)
 
なので、
 
 濡れる <===> (固体表面張力) > (固液界面張力)
 はじく <===> (固体表面張力) < (固液界面張力)
 
ということです。『SAPPHIRE』ってやつは、固液界面張力が非常に大きくなる
液体なのでしょう。
 
なお、界面張力と表面張力は原理的に同じもの * で、接触面単位面積あたりの
ギブズ[Gibbs]の自由エネルギー ** です。
( http://www.ims.tsukuba.ac.jp/~hsuzuki_lab/research/surfacetension-sato/surfacetension.html 
より)
 
 * http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwb1024/surfactant.htm 
 
 >これ[表面張力]は気体と液体2相のときをいい、その他の組み合わせ(液−液、
 >固−固、液−固、固−気)のときは界面張力といいます。
 
 注: この定義では、固体表面張力とはいわず「固気界面張力」であるが、
   気にすべきことではない。
 
** Gibbs の自由エネルギーは「自発的な変化で相手に与えることができるエネルギーの上限」
( http://metal5.mat.usp.ac.jp/~miyamura/notes/netsuriki/free_energy.html  より)