無窮ナレッジ

▼水にも浮く、サッカーボール型住宅 / 災害対策の考え方

http://slashdot.jp/articles/04/01/06/0034253.shtml?topic=42 
http://www.nikkei.co.jp/chubu/kira/arc031119.html  *
http://g-wood.jp/baria_info.htm 
( * より)
>水に浮かぶ住宅で水害でも安心?
>
>岐阜県山県市の建築会社「キミドリ建築」が今月、水に浮かぶサッカーボール型住宅を
>完成させた。
>
> 災害に強い家を考え試作したもので、...
 
名は「バリア」。
 
「水に浮かぶ住宅で水害でも安心」災害に強い建造物の代表的な一つの解答です。
もう一つの解答は、「基礎は従来の何倍の高さ、そして岩盤まで柱を立てることに
より、いくら水の流れが強くても...」というものでしょうか。
 
地震対策でも同じことが言えます。近年、登場しているのは、柱を一部分だけ
わざと弱くするというもの。大地震の際は、ここが塑性変形 * し、エネルギーを
吸収します。
 
 * 金属など弾性体に力を加えて曲げるとき、ある程度までなら(鋼でひずみ0.1%程度)、
  力を緩めれば もとに戻りますが(そこまでは弾性変形)、そこから先(塑性変形)はもとに
  戻らず変形したままになります。
 
  要は、塑性変形とは(変形前が意味のある形ならば)壊れることです。
 
阪神大震災のときでも、ワンフロアだけペシャンコだが、あとは大丈夫だったという
銀行の建物があったように思いますが、この"ワンフロア"を意図的に設定するわけ
です。もちろん、その部分は壊れてしまいます。しかし、大地震がおこるのは、どうせ
100年に一度程度。そのときに壊れたその部分だけ、修理してやればいいのです。
 
逆の考え方は、制震装置を建物に仕込むというものです。最近のたいていの高層ビル
にはついているのではないでしょうか。
 
ほとんどは屋上近くにおもり(水のタンクを使うこともある)をおき、建物のゆれを
センサで感知し、それにしたがってそのおもりを動かします。
 
しかし、実は... 以下のことを知ったとき、衝撃をうけたので、お話しするのが適当か
どうかわかりませんが、この方法 大地震には役に立ちません。
 
大地震の際、このシステムはむしろ自動停止します。なぜなら、もし大地震の揺れを
抑えるようとすると、おもりを、おもりを動かすアクチュエータの限界を超えた速さで、
そして建物の壁をつきぬける幅でうごかさねばならないからです。