空気中に占める水蒸気量を求める演習

 
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考える対象とする湿潤空気　

 
1気圧(=全圧) 下、20℃ 相対湿度 100% の湿潤空気を例に、各種水蒸気量を
求めた。
 
 
体積パーセント　

 
水蒸気の分圧(=飽和水蒸気圧)は
 
　http://www.kochi-u.ac.jp/marine-core/Members_HP/mash/satupress.html 
 
によると、17.5 mmHg = ( 17.5 / 760 )×101325 Pa = 2.333 ×10^3 Pa 。
 
よって、空気中に占める水蒸気の体積パーセントは、
 
　　17.5 / 760 = 2.30 [volume%] である。
 
 
質量パーセント　

 
空気中に占める水蒸気の質量パーセントを求める。
 
V = 1 m^3 あたりの水蒸気のモル数 n_H2O は、
 
　n_H2O = 2.333 ×10^3 ・1 / ( 8.31・293.15 ) = 0.9577 [mol] 。
 
また、湿潤空気について、
 
　n_SUM = 101325・1 / ( 8.31・293.15 ) = 41.593 [mol] 。
 
よって、乾燥空気のモル数 n_DA は、
 
　n_DA = n_SUM - n_H2O = 40.63 mol 。
 
乾燥空気の(見かけの)分子量は 28.96、
水蒸気の分子量は 18 だから、
 
乾燥空気の質量は、1176 g。
水蒸気の質量は、17.23 g。よって、湿潤空気の質量は、1176 + 17.23 = 1193 [g]。
 
よって、空気中に占める水蒸気の質量パーセントは、
 
　　17.23　/ 1193 = 1.44 [mass%] である。
 
 
混合比　

 
混合比(mixing ratio)は、
 
　　　(絶対湿度 即ち 水蒸気の密度) / (乾燥空気の密度)
 
である 。"水蒸気の密度"とは、単位湿潤空気中に含まれる水蒸気の質量をさす。
"乾燥空気の密度"とは、単位湿潤空気中に含まれる乾燥空気の質量をさす (ここ注意)。
 
水蒸気の密度は、17.23 g/m^3 である。乾燥空気の密度は、1176 g/m^3
 
だから、混合比は、17.23 / 1176 = 0.01465 [-] = 14.7 [g/kg] である。
 
 
比湿　

 
比湿(specific humidity)は、
 
　　　(絶対湿度 即ち 水蒸気の密度) / (湿潤空気の密度)
 
である。"湿潤空気の密度"は、1193 g/m^3 。ここで、比湿と「空気中に占める水蒸気の
質量パーセント」が同じ値であることに気づく。即ち、ここで考えている湿潤空気の
比湿は、0.0144 である。
 
なお、混合比 r として、比湿は r/(1+r) 〜 r と表されるが、これを確認する。
 
いま、混合比は 0.01465 、比湿は 0.01444 であり、比湿を混合比の値で表すことによる
誤差は、1.45% である。
 
また、r/(1+r) = 0.0144 となり、混合比 r として、比湿は r/(1+r) 〜 r と表される
ことが、確認された。
 
 
関連　

 
・気体定数 ac_0410092.html