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モデルとパラメタリゼーション

 
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<1>モデル
<2>物理モデル
<3>数学モデル 数理モデル
<4>パラメタリゼーション
<5>陽にシミュレーションする, explicit model
<6>参考
 
 
自分なりにそれぞれの意味を考えました。
 
<1>

▼モデル
 
モデル model :
 
AとBの両体系が存在しており、両体系の間に類同性(isomorphism)が認知される
とする。もし、われわれがB体系を正確に認知するためにA体系を用うることが
可能であるならば、A体系をB体系のモデルであるという。
 
 
<2>

▼物理モデル
 
物理モデル physical model :
 
類同性の認知により、投射された先の他の物理。アナロジー。
 
関連: 日本科学未来館に「インターネット物理モデル」の巨大オブジェ
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0710/miraican.htm 
 
 
<3>

▼数学モデル 数理モデル
 
数学(数理)モデル mathematical model :
 
現象を単純化して表現した微分方程式。
 
 
<4>

▼パラメタリゼーション
 
パラメタリゼーション parameterization :
 
モデルで解像できない小規模現象を、モデルで解像できる大規模現象との関係で表現すること。
 
 
<5>

▼陽にシミュレーションする, explicit model
 
陽に(explicit) シミュレーションする, explicit model
 
パラメタリゼーションを用いずに、モデルによって直接表現すること。
 
 
<6>

▼参考
 
新野宏, 町田暁 & 柳瀬亘, 大気の対流と渦の数値シミュレーション,
日本数値流体力学会誌, 第9巻第5号 (2001.10).
 
http://www.nagare.or.jp/jscfd/j-jscfd/95/95p2.pdf 
 
>モデルで解像できない...影響を、どのように表現するのか(パラメタリゼーションと
>呼ばれる)
 
 
関寛治, 犬田 充 and 吉村 融 : 行動科学入門 (講談社, 1970) pp.138-139.
 
>「一般体系理論」[(general systems theory)]は、科学一切の研究対象は「体系」を
>なしているから「認知可能性」があるのだとする考え方に立っている。つまり研究対象
>を正確に認知するためには、「対象としての体系」を別の「認知可能な体系」に
>おきかえて理解する。
 
> このような「一般体系理論」の立場に立つと、次のように「モデル」を定義すること
>ができる。先ず、AとBとの両体系が存在しており、両体系の間に類同性(isomorphism)
>が認知されるとする。もし、われわれがB体系を正確に認知するためにA体系を用うる
>ことが可能であるならば、A体系をB体系のモデルであるという。
 
>一般にわれわれがモデルと考えるのは、「対象としての体系」よりも「直観的に理解の
>容易な、ないしは操作可能な形に近い体系」なのである。
 
 
流体力学教育を考える ― 企業が求めるもの,大学が提供できるもの―, ながれ, 20,
474-490 (2001).
 
http://www.nagare.or.jp/nagare/20-6/panel.pdf 
 
今井功 氏の発言
p.475
 
>このモデルというものには,“物理モデル” と“数学モデル”とがあること,その二つ
>の性格 の違いを十分に認識しておく必要があります.
 
 
http://kobam.hp.infoseek.co.jp/meteor/numerical-forecast.html 
 
>(3)パラメタリゼーション
>パラメタリゼーションとは、大規模現象から小規模現象の構造を推定・決定し、
>その小規模現象の存在の大規模現象への効果を一意的に関連付けることである。
>この関係を基礎方程式の差分式に付け加えることにより、差分式では直に表現
>されていない小規模現象であっても、あたかもその差分式で直に扱われている
>のとほぼ同様の関係を大規模現象に与えることができる。この手法が有効になる
>のは、現象のスケールギャップが大きい場合である。現象のスケールが連続的な
>ものであれば、パラメタリゼーションの考え方に無理がある。また、スケール間
>の相関関係が大きくないとか一意的でない場合にも問題がある。
 
>具体的な例としては、現状では100km以上のスケールの現象に対する乱流の効果とか
>積雲対流の効果などがパラメタリゼーションの対象にされている。個々の積乱雲の
>予想まではできない。
 
 
計算力学の最前線, 土木学会誌, vol.88 no.8, 5-40 (2003).
http://www.jsce.or.jp/journal/thismonth/200308/special.pdf 
 
p.8
 
> そこで,問題となっている現象の中から支配的な要因を抽出し,シミュレーション
>に適するようにモデル化する必要がある。自然界における多重複合物理現象
>(multi-physics phenomena)をいかに単純化して数理モデル(微分方程式)により
>表現するかが解析結果の善し悪しを左右するといっても過言ではない。このモデル化の
>ことを数理モデル化(mathematical modeling)とよぶ。
 
> 当然,計算された結果には数理モデル化を行った時点での仮定が含まれているため,
>実際の現象を忠実に再現したことにはならないが,モデル化時に抽出した現象に対する
>挙動は計算結果に反映されているはずである。
 
> 一方,計算機の性能向上に伴って,個別要素法や粒子法などの離散的なモデルを
>用いた計算力学的アプローチも固体,流体を問わず,さまざまな分野で利用されるよう
>になってきた。こういった手法によるモデル化を数理モデル化に対して物理モデル化と
>よぶこともある。
 
>また,物理モデル化においては連続体を粒子などの離散要素の集合体で表わしているが,
>コンピュータの計算能力にも限界があるため,ある程度の要素数(サイズ)で連続体を
>近似せざるを得ず,そのような意味での解の信頼性の問題も発生する。さらに,
>物理モデルを用いた解析ではミクロレベルとマクロレベルを分けて考え,ミクロレベルの
>結果をマクロレベルの解析に反映する研究も進められている。
 
 
伊藤昭彦, 市井和仁, 田中克典, 佐藤 永, 江守正多 & 及川武久,
地球システムモデルで用いられる陸域モデル:研究の現状と課題, 天気, 51巻4号, 3-15 (2004)
http://www.s-ws.net/tenki/pdf/51_04/p003_015.pdf 
 
p.4
 
>(本来は複雑な現象を便宜的に簡単な近似式で扱うことをパラメタリゼーションと呼ぶ)
 
 
新宮哲, 地球シミュレータにおける大気大循環モデルの並列化,
ワークショップ「計算科学におけるアルゴリズム」プレゼンテーション資料 (2000.6.13)
http://www.rccp.tsukuba.ac.jp/algorithm-ws/pdf/3-3-singu.pdf 
 
>★ パラメタリゼーションとは
> マクロ(格子スケール)の場を用いて、ミクロ(格子スケールよ
>り小さなサブグリッドスケール)の現象がマクロに及ぼす影響
>をパラメータを用いてモデル化すること
 
■  ■  ■

 

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