駒袋の物語

香川 愛生 : 職業、女流棋士 (マイナビ新書, 2018) p.59.

駒は初めから盤上には置かず、まずは記録係が磨かなくていけません。奨励会員にとって、棋士が公式戦で使う駒に触れられる唯一の機会です。記録用紙のうえに広げ、いつか棋士になってこの駒で自分も対局するんだという思いを込めて、真摯に1枚1枚磨きます。駒を全部磨き終えたら、巾着型の駒袋にしまい、きゅっと結んで箱へ。盤の真ん中に置いたら、準備は完了です。