経済は、用水路である

経済は、用水路であり、富は、自然の恵みが姿を変えたものである。

自然の恵み、すなわち、その根源をたどれば、太陽(あるいは地球内部)における核反応のうち、ほとんどは無駄になる。

自然の恵み(の全体からすれば、そのごく一部)を、それを受けられない空間・時間に行き渡らせている仕組みが、経済である。それは、山に降った雨をそのまま海に流すのではなく、広い土地に行き渡らせる用水路(、さらには水を蓄え放出する溜め池を含めた灌漑システム)に例えることができる。

経済は、自然の恵みを富に、富を富に変換する仕組みなどから構成される。富は、自然の恵み(その本質として、エネルギーや情報)が姿を変えたものである。

利用できる富に変換できる仕組みが現に存在することへの安心感、将来登場することへの期待感が、人に新たな資産を作らせる動機を持たせる。資産は、自然の恵みやそれが変換されて生まれた富を、空間・時間に行き渡らせている仕組みの一部になり、その働きを強くさせる。すなわち、経済を発展させる。

「公共」宇宙と宇宙領土

宇宙は「公共物」、すなわち大国により管制され、有事においては大国の私物である。

現在、宇宙は、制高に役立っている。すなわち、
 ・敵の情報をさぐる
 ・味方に有益な情報を提供する。やりとりの中継点になる
 ・敵に物質(例えば、爆弾)を送る
ことができる。

将来、宇宙は、資源の源にもなる。資源は権益を生み出す。そして、資源開発・採掘には、定住する人口が必要である。これは人口の受け入れの起点になる。

定住者は、周囲を監視する。また、権益と人口は、軍事力の発動の理由になる。特に、民間人の人命保護は、内政・外交共において、強力な根拠になる。また、一定規模の人口の受け入れが可能ならば、一定規模の軍、すなわち一定の戦闘を継続しうる軍の駐留が可能になる。

ここに、宇宙領域の領土化が始まる。領土化に成功した国は、そこから採掘される資源、そこに設置された製造設備、その製造設備の生産物を、最大限に利用できる。領土は「公共物」よりも、使いやすいのだ。

また、宇宙領土と地球上の本国の連携行為によって、「公共」宇宙の管制を、より効率的に実施できる。

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