「真」ではなく「善」を求める

私が今、生産・探求を求められているのは、普遍的な「真」ではなく、属人的で恣意的な正義、即ち、個人的な「善」である。

そのために必要な教養は、科学ではなくて、哲学である。即ち、理論哲学(科学を除く)および実践哲学である。

この時、知は、「正しい答えという意味での 「知」 ではなく、答えがわからない問題の答えを何とか知ろうとする努力という意味での 「知」 」として新たに定義される。これにより、知は放棄されない。泥の中(マドリングスルー)において現実に存在するものとして、現実的な価値をもつ。

AKB峯岸みなみ嬢丸刈り問題の一側面

AKB48・峯岸みなみ嬢の丸刈り映像が海外にまで知られた際に浮かび上がった一つ問題点は、日本のおいて、女性の丸刈りを説明する文章や映像表現 *1 がない(知られていない、共有されていない)ことであろう。

*1: 欧州における、「さばかれるジャンヌ」(フランスの無声映画, 1928)や、ロバート・キャパによるフランス解放の報道写真。

参考: 女性の丸刈りを映す2つの異様な写真–AKB48峯岸みなみ、ロバート・キャパ : アゴラ – ライブドアブログ

第2次世界大戦欧州戦線における周辺領域の意味合い

マイケル・ケリガン=著, 石津 朋之=監訳, 餅井 雅大=訳: 第二次世界大戦秘録 幻の作戦・兵器 1939-45 (創元社, 2013) を参考に、戦場になり得た周辺領域がもっていた意味合いを書く:

・アイルランド・アイスランド: 英本土攻防

・スウェーデン: 鉄鉱石、油田
(スウェーデンは中立。他の北欧諸国は、ノルウェー: ドイツ占領下。フィンランド: ソ連と交戦《冬戦争(第1次ソ芬戦争)》)

アゾレス諸島(大西洋上): ドイツにとっての米攻撃中継点

カーボベルデ諸島 (アフリカ、セネガル沖): スエズ運河封鎖後のケープタウン航路支配

史実から言えば、上記は、戦場にはならなかった。ただし、英首相ウィンストン・チャーチルが間接的アプローチを志向したこともあり、周辺領域が戦場になった蓋然性はあると考えられる。

マイケル・ケリガン=著, 石津 朋之=監訳, 餅井 雅大=訳: 第二次世界大戦秘録 幻の作戦・兵器 1939-45 (創元社, 2013) p.15.

 イギリス、あるいは苦境にあったフランスが、人員と兵站という非常に大きな問題の解決策を見いだしたとしても、有事の際は常に周辺戦域と考えられてきた地域において、これほどまでに戦争努力を拡大することの正当性を与えることは困難であろう。チャーチルは戦後、自らの信奉する間接的アプローチに対するアメリカの態度に憤っていたことを明かしている。1942年、チャーチルは、ドイツに対する連合国のアプローチとして、フランス経由で直接叩くのではなく、ヨーロッパの「脆弱な下腹部」を突くことが賢明であると示唆していた。