「共産党宣言」における少数の価値の過小評価

「共産党宣言」における少数の価値の過小評価マルクスとエンゲルスによる「共産党宣言」では、少数の価値を過小評価し、駆逐の対象にしている。*

「共産党宣言」での記述に従い、1:9としよう。

少数1が、全体の資本の9を所有している。

これは、所有のパレート則である。これだけならば駆逐の対象によいのかもしれない。

しかし、少数1が、全体の成果の9を生み出しているのである。これは、成果のパレート則である。

その中では、集中の効果、人間は集団になると一人当たりの作業量が減少するという「リンゲルマン効果」の逆も、働いているのだろう。

重要なことは、少数が全体をまかなっていることである。これは、冪乗則という統計モデルに準じた集団がもつ性質である。その少数から資本を摘み取り、多数に分配しても、全体をまかなえない。

補足:
* カンボジア共産党(クメール・ルージュ)のポル・ポトが、カンボジア国民全体にとって少数である知識人を虐殺したのも、この影響であろうか。

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