人の性は群居を好み決して独歩孤立するを得ず

人の性は群居を好み決して独歩孤立するを得ず福沢 諭吉 : 学問のすゝめ (岩波文庫, 1942) p.99.

人の性は群居を好み決して独歩孤立するを得ず。夫婦親子にては未だこの性情を満足せしむるに足らず、必ずしも広く他人に交わり、その交わり愈〻広ければ一身の幸福愈〻大なるを覚ゆるものにて、即ちこれ人間交際の起こる由縁なり。既に世間に居てその交際中の一人となれば、また随ってその義務なかるべからず。凡そ世に学問といい工業といい政治といい法律というも、皆人間交際のためにするものにて、人間の交際あらざれば何れも不用のものたるべし。政府何の由縁をもって法律を設くるや、悪人を防ぎ善人を保護しもって人間の交際を全からしめんがためなり。学者何の由縁をもって書を著述し人を教育するや、後進の智見を導きてもって人間の交際を保たんがためなり。

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