田中 浩也「SFを実現する 3Dプリンタの想像力」

     

評価・状態: 得られるものが秀逸・多量な本★★★

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購入: 2014/ 7/27 (Kindle 版)
読了: 2014/ 7/31 [3]

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社会の改革のために

記事ページ 発行: 2014年08月03日

結論:

社会の改革のためには、個が余裕をもち、その余裕を表現力と創造力に振り向ける必要がある。また、物質化・表現・創造の有機的連携が必要である。物質化は、表現・創造が、思考・思想に留まらないためのひとつの行動として挙げられる。

社会の改革は、「賢者のディスプレー」・「集会装置」・「思考のための食べもの」により、促進される。これらを改良すること、及び、これらの使用を促進することが、社会の改革を促進する。



本文:

(1)
田中 浩也 : SFを実現する 3Dプリンタの想像力 (講談社, 2014〈底本 講談社現代新書(2014)〉) No.964/2694.

パーソナル・コンピュータを推進してきた研究者の多くは、「個が表現力と創造力を持つことで社会が改革される」ことを強く信じています。ネグロポンテもそのひとりです。

即ち、つながった個が表現力と創造力を持ち、それが臨界点を突破することで社会が改革される。

個が表現力と創造力を持つためには、個に余裕が必要である(参考: 知的ネット社会の設計 #6.拡大知的社会の理解と設計
)。その余裕を、表現力と創造力に振り向ける必要がある (余裕を、従来どおりの生産の拡大には振り向けないという価値判断をする)。

なお、前記引用にはつづきがある:

田中 浩也 : SFを実現する 3Dプリンタの想像力 (講談社, 2014〈底本 講談社現代新書(2014)〉) No.984/2694.

こうして、「先端技術で社会問題を解決する」という思想的背景をもった活動であっても、完成済みの「コンピュータ」をただ配るだけの支援では限界があることがはっきりしました。重要なのは、現場で、使用者自身が、その場やその人に合うようにテクノロジーを再編集できるための「施設(拠点)」だということがようやく分かったのです。

つまり、表現・創造(ソフトウェア)だけでは不十分であり、物質化(ファブリケーション)(ハードウェア)・表現・創造の有機的連携が必要である。

行動無き思考・思想は無意味だといわれる。物質化は、表現・創造が、思考・思想に留まらないためのひとつの行動として挙げられる。

(2)
田中 浩也 : SFを実現する 3Dプリンタの想像力 (講談社, 2014〈底本 講談社現代新書(2014)〉) No.156/2694.

素材を変えながら、繰り返し実験をしてみることで、自分自身の発想や想像力が強く刺激されることでした。「つくりながら、かんがえる」「かんがえながら、つくる」という同時性、即興性を実現してくれることで、ワープロや、シンセサイザーといった、人間の知的創造活動のパートナー的存在へと近づいているな、と感じられたのです。

即ち、人間の知的創造活動のパートナーを得る(ことで、社会の改革が促進される)。 ※括弧内は、ブログ記事著者により付記した。

このパートナーにより、知性が湧き上がるように自ら(みずから)により奮起されるのである。

パートナーには、上記引用のように(a)道具もあれば、もちろん(b)人間もある。そして、(c)思考の種になる刺激も必要である。

(a)を「賢者のディスプレー」と表そう。紙のノートや、PCがあたる。

(b)を「集会装置」と表そう。広場や、インターネットがあたる。

(c)は「思考のための食べもの」である。本、雑誌、あらゆるコンテンツがあたる。

これらは、既に存在している。よって、これらを改良すること、及び、これらの使用を促進することが社会の改革を促進する。

昨年、私は、「知的ネット社会の設計 #構成者への情報提供」において

知的ネット社会では、その構成者に、《知性の一般的啓発》・《知的な専門技術》・《思考のための食べもの》が提供される。

と書いた。《知性の一般的啓発》・《知的な専門技術》に関する情報提供として、今回挙げた「賢者のディスプレー」・「集会装置」・「思考のための食べもの」の使用を促進するコンテンツがある。

 

小林 啓倫「今こそ読みたいマクルーハン」

記事ページ 発行: 2014年08月13日

Kindle 版


新書


購入: 2014/ 8/ 2 (Kindle 版)
読了: 2014/10/29 [3]

田中 浩也「SFを実現する 3Dプリンタの想像力」で、紹介。

 

一般の人が生産(物質化)することによる社会の改革

記事ページ

 

シンギュラリティと生産

記事ページ

 

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