内田 樹「街場のメディア論」

     

評価・状態: 得られるものが秀逸・多量な本★★★



購入: 2010/10/23
読了: 2010/12/ 2

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全 3 件

「アテネの学堂」のこちら側

記事ページ 発行: 2011年02月27日

要約: 表現者・生産者ではない人々による支持・称賛は極めて重要である。


ラファエロの絵画「アテネの学堂」には名だたる哲学者たちが描かれている。この絵画は人気があり、西暦1510年ごろに描かれたが現存している。

さて、本記事のタイトル“「アテネの学堂」のこちら側”とは、絵画を見ている側を指す。

絵画「アテネの学堂」の価値は、“こちら側”の支持・称賛によって支えられている。

この支持・称賛の対象には、絵画の美しさと絵画のテーマがある。

後者は即ち、思想・知的なものへの支持・称賛である。

表現者・生産者ではない人々による支持・称賛は極めて重要である。

関連引用:
"Everyone is an artist"? | *arts marketing.jp

>「価値」には2つあって、「対価」としてあらわれる価値と、「称賛」としてあらわれる価値があると思うのね。(この「称賛」という言葉もちょっとうまく言えてない気がするけど、こちらも暫定的に。)
でも、今は「価値」=お金になる、産業になる、としか考えていないんじゃないんかな、って政策が多いような気がする。※例は割愛。いつか改めてエントリするかも
それももちろん大事だけど、でも順番としては、「創造されたもの」と「それを作った人」に対し、それを認めること・・・「称賛」があって、初めて「対価」というのは発生されるのだと思う。
その「称賛」のシステムつくりというか土壌作りというか、そういうのが抜けちゃっているんじゃないかと


内田 樹 : 街場のメディア論 (光文社新書, 2010) p.171.

>誰かが「これは贈り物だ」と認識して、「返礼せねば」と思うまで、それは厳密な意味では「贈り物」ではないのです。その品物には「ハウ」は含まれない。返礼義務を感じたものの出現と同時に「ハウ」もまた出現する。贈り物そのものには「ハウ」は内在していない。「これは贈り物だ」と思った人の出現と同時に、贈り物は「ハウ」を持ち始める。


内田 樹 : 街場のメディア論 (光文社新書, 2010) p.184.

>「ものそれ自体に価値が内在するわけではなく、それを自分宛ての贈り物だと思いなした人が価値を創造する」


水村 美苗 : 日本語が亡びるとき (筑摩書房, 2008) p.144.

>学問とは、なるべく多くの人に向かって、自分が書いた言葉が果たして〈読まれるべき言葉〉であるかどうかを問い、そうすることによって、人類の叡智を蓄積していくものである。


水村 美苗 : 日本語が亡びるとき (筑摩書房, 2008) p.302.

>国語教育の理想を、すべての国民が書けるところに設定したということ、国民全員を〈書く主体〉にしようとしたこと――それは、逆にいえば、国語教育の理想を〈読まれるべき言葉〉を読む国民を育てることに設定しなかったということである(...)。ところが文化とは、〈読まれるべき言葉〉を継承することでしかない。〈読まれるべき言葉〉がどのような言葉であるかは時代によって異なるであろうが、それにもかかわらず、どの時代にも、引きつがれて〈読まれるべき言葉〉がある。そして、それを読みつぐのが文化なのである。



関連:
消費的な知的行為の成果はフィルタリング
http://nhm.blog75.fc2.com/blog-entry-485.html

 

すっごく大事な3つのこと

記事ページ 発行: 2011年01月29日

・絶対的な価値基準やルールはない。

>この定理は「あらゆる問題で性能の良い汎用最適化戦略は理論上不可能であり、...」ということを立証している(Ho and Pepyne、2002年)。

ノーフリーランチ定理 - Wikipedia [2010年12月23日 (木) 13:44 の版]
「空気」の研究を参考せよ。


・権力を分散して物事を進めるシステムっていうのは、非常に貴重なものであって大事にしていかなきゃいけないものと思う。
――権力を分散して物事を進める仕組み - アンカテ (権力の分散。あるいは少なくとも、権威と権力の分離。)


・社会的共通資本は、わずかな入力差が大きな出力差を生み出すような種類のシステムに委ねてはならない
――内田 樹 : 街場のメディア論 (光文社新書, 2010) pp.108-109.

関連:
私は、絶対的な善行が何であるかを求めた
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-2697.html

 

人による人の絶滅、インディアスの破壊についての簡潔な報告

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