森 博嗣「幻惑の死と使途」

     

評価・状態: 暇つぶしになる良質な本★☆☆



購入: 2009/12/ 8
読了: 2010/10/16

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この本からの引用、または非常に関連する記事

全 5 件

物語は資産である

記事ページ 発行: 2014年02月08日

物語(ストーリー)は資産である。


「ゲキ・ガンガー」を書け――国民文学による優れた考え方の共有

広く伝わるストーリーによって、多くの個人に考え方を修得させることができる。

共有された考え方は無視されない。どのような個人でも、それを使用しなかった場合には、使用しなかった理由を説明しなければならない。



ストーリーにくるまれると、深く理解され、忘れられにくい

・実際に体験をした人
 奥野 宣之 : 情報は1冊のノートにまとめなさい[完全版] Kindle版 (ダイヤモンド社, 2013) 位置No.574/2210.

当時の「空気」もリアルに思い出すことができるわけです。



・実際には体験をしていない人
 森 博嗣 : 幻惑の死と使途 (講談社文庫, 2000) p.74.

文字に還元された物語(特に、物理的に記述された配列)は、ランダムとはなりえない。まるで導関数が存在するかのような滑らかさ


 2つの情報処理により、知の階段をのぼる

・ ネットワークの直線表現(=ストーリー化 ?)


 ストーリーがもつ説得力の根源

 奇跡・神秘・権威とストーリー

関連:
シナリオプランニング

 

建築っていいなぁ

記事ページ 発行: 2010年11月06日

建築っていいなぁ。

森 博嗣 : 幻惑の死と使途 (講談社文庫, 2000) p.327.

[国立N大学工学研究科建築学専攻 修士課程入学試験 口頭試問にて]
>「君は、どうして試験で力学を選択したのですか?」という質問がある助教授からなされた。
「力学が好きになったからです」姿勢良く座っている萌絵は答える。
「では、何故、歴史の講座を希望しているんです?」
「これから好きになるからです」



 

概念は代表的に名詞で表現され、行動は動詞で表現される

記事ページ 発行: 2010年11月06日

概念は、代表的に名詞で表現され、
行動は、動詞で表現される。

森 博嗣 : 幻惑の死と使途 (講談社文庫, 2000) p.510.

>「動詞を切り離して、目的物だけを抽象化することは、極めて難しい。名詞は言葉の中で、格段に高レベルな概念なんだ。名詞の概念を理解するためには、桁違いに高い分解能を有する頭脳が必要になる。人類だけがそのレベルに到達した。それが偉いとか、高等だといっているんじゃないよ。ただ、分解能が高い、ビットが多い、という意味だ。色を識別できるのも同じ理由だね。この高分解能に支えられた人間の思考だけが、名詞を作り出す。それは、概念を拡張したり、縮小したり、あるいは分解したり、統合したりして、次々に新しい言葉を作り出す。名詞の独立によって、動詞や形容詞は統合され、あるいは分化される。これが、組織化された言葉だ。人は、ついには、その名詞のために生きることになるんだ」



 

ストーリー化されていない問題解決

記事ページ 発行: 2011年07月17日

私の脳は文章で書かれたストーリー化された問題の解決能力を増させるあまりに、現実に存在する「事象のランダム性」を許容できないのかもしれない。

森 博嗣 : 幻惑の死と使途 (講談社文庫, 2000) p.74.

 人間の頭脳は、局部的であれ(あるいは、忍耐力と集中力を要求されはするものの)、事象のランダム性を許容し、これに追従する思考能力を充分に有する。しかしながら、文字に還元された物語(特に、物理的に記述された配列)は、ランダムとはなりえない。まるで導関数が存在するかのような滑らかさが要求され、その不自由さは驚嘆に値する、といえるだろう。


関連:
Twitter / @takagi1: 私の弱点 : 通路が狭いのだ。没入する条件が厳しい。 (2010/ 7/25 10:47am)

 

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