野口 吉昭「コンサルタントの「質問力」」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆


購入: 2008/ 6/ 4
読了: 2008/ 6/14

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全 5 件

なぜ知的生産をするのか、私見

記事ページ 発行: 2008年08月24日

私は、知的生産物の目的は、つぎの2つであると考える。

  • 1. 現代人を駆動させること。
  • 2. 未来人が無駄を取り除けるようにすること。
そして、これらが私がしたいことに適合している、と考えている。

1. 現代人を駆動させること


1.1 「現代人を駆動させる」とは何か


「駆動させる」とは、人間の必要最小限の労働を超える労働をさせることである。

人間は文章という知的生産物を、大脳の中に反響させることによって、その持ちうる資源のベクトルを一方向に指向させ、必要最小限を超える労働をする。

1.2 なぜ私はそのような目的の物を生みだしたいのか


(私も含めて)社会に属する人間は駆動しなければならないからである。

理由:
歯車論において、私は、個人を歯車とみなし、社会を歯車装置とみなした。

歯車装置にはロスがある。駆動しなければ、回転力は次第に失われ、最後には停止してしまう。

故に、社会を停止させないためには、駆動させなければならない。

2. 未来人が無駄を取り除けるようにすること


2.1 「未来人が無駄を取り除けるようにする」とは何か


具体的にどのようにして無駄を取り除くのかを2つあげる。

 (1) 失敗を防げるようにする

技術者の書き物を参照のこと。

 (2) 精度の高い仮説をたてられるようにする

野口 吉昭 : コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書, 2008) p.78 には、仮説をたてるために収集すべき情報は「二次的情報」である、という旨の記述がある。「二次的情報」とは、書籍・新聞記事・雑誌記事・学術論文・統計資料などの文章を指す(対して、「一次的情報」が、現場の生の声にあたる)。

つまり、知的生産物の代表的形式である文章には、他者が仮説をたてるのを助ける効用がある。

2.2 なぜ私はそのような目的の物を生みだしたいのか


後につづく者たちが、我々よりも苦しまない世の中にしたいからである。

 

いかにして解くか

記事ページ 発行: 2007年03月03日

既存の状態は、

 A-B-C-D

という順列である。CとDには依存関係がある。ただし、CとDの依存関係は他のもので代用できる。この場合に、

 A-C-B-D

という最適解をいかにして得るか。
代用可能な条件を、考慮から外す。


追記: (2008/ 8/10)

一度決めた考えを破棄して、考えを再構築できるか。(ゼロベース思考による代案提示)

松村 劭 : 戦術と指揮―命令の与え方・集団の動かし方 バトル・シミュレーション (PHP文庫, 2006) p.84 より。

>「階級はなんのためにあたえてあるのか? 命令違反するときを判断できる者にあたえられているのだ。規則どおり、命令どおりするだけなら、貴様は将校ではなく、兵士でよい」と[フレデリック・]ウイリアム皇太子。

野口 吉昭 :コンサルタントの「質問力」 PHPビジネス新書, 2008) p.98.

>仮説を立てながら、仮説を捨てる。


 

質問による失敗防止

記事ページ 発行: 2008年06月18日

質問によって引き起こされる本質にせまる力 *1 を、失敗防止に使う。

中田 亨 : ヒューマンエラーを防ぐ知恵 (化学同人 DOJIN選書, 2007) p.124.

> そこで、CRM[:Crew Resource Management]では相互チェックを奨励します。操縦している人を操縦していない人が観察し、「その行動は何のため? それでいいのか?」と問いただします。このようにして、操縦にまちがいがないか確認をとります。

 このように相棒に自分の行動を説明させることが要点です。事故につながる行動は、「深く考えずに、なんとなく行っていた」ということが多いのです。きちんと説明できる行動なら事故にはなりません

 ソフトウェアの製作では、二人組でプログラムをつくる"ペア・プログラミング"という手法が使われます。... 質問役は「これはどういうプログラムにするつもり?」「そう書いたのは何のため?」と聞きます。作業役は、頭の中で漠然と考えている事柄を声に出して説明します。

日垣 隆 : ラクをしないと成果は出ない (大和書房, 2008) p.101.

>七割もしゃべっていれば、自分で自分の矛盾に気づいて自爆してくれます。


*1 : 古くは「ソクラテスの産婆術」。Blog 一番星 野口 吉昭 : コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書, 2008) p.134.

関連:
質問ドライブ
http://nhm.blog75.fc2.com/blog-entry-209.html

 

「情報圧縮」作業=内容の絞り込み : 私が学生時代に普段やっていた知的作業は、社会人になっても大事な作業

記事ページ 発行: 2008年07月05日

私が学生時代に普段やっていた知的作業が、社会人になっても大事な作業なのだと知った。

「学生時代に普段やっていた知的作業」とは、授業・講義の内容をコンパクトにまとめることである。私はこれを、「情報圧縮」作業と呼んでいた。

ここで公開されているものは何か Mukyu Academic Notebooks

>

  • 通常の勉強:
    「資料」を作成。実質は、「情報圧縮」作業である。

野口 吉昭 : コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書, 2008) p.169. には、次の記述がある。

>場の見える化と論理的整理、そして内容の絞り込みをスムーズに行い、全体を「華麗なるワンメッセージ」で終幕へと持っていける「エンターテイナー」なのだ。

“「内容の絞り込み」=「情報圧縮」作業”なのだと考える。

私が学生時代に普段やっていた「情報圧縮」という知的作業は、社会人になっても大事な作業なのだ。

 

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