無術理術無

(1)無 (2)術 (3)理 (4)術 (5)無

(2)術は、(3)理に先行する。

  哲学と現実、科学と技術

よく訓練された(4)術は、無意識、すなわち(3)理を意識せずに実施される。

  三戸裕子 : 定刻発車 ―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?― (新潮文庫, 2005) p.256

本書の取材のために会って話を聞いた多くの鉄道人たちからは「世界に稀に見る定時運転を実現させるために俺はこの仕事をしているのだ!」というような気負った意識は、全くといってよいほど伝わってこなかった。

中島 敦の「名人伝」に描かれた名人の極致は、(5)無である。

(1)無と(5)無は、紙一重である。ある個人において異なっていても、その個人の死までもを考えた時、両者に隔てはなくなり、(5)無状態は、(1)無状態に遷移する。

(1)無状態に遷移しないようにするためには、(3)理状態を保持し続けなけばならない。